概要
開発元: Shadowborne Games
オフィシャルウェブサイト: https://www.shadowborne-games.com/copy-of-oathsworn
プレイ人数: 1〜4人
ジャンル: レガシー・ダークファンタジー協力型RPGミニチュアボードゲーム
価格(キックスターター時): カードボード版($99) ミニチュア版 ($179) コレクター版($299)
発売予定日(予約販売発送予定日): 2020年12月
リセットできるレガシーゲーム
レガシーゲームとはテーブルトップゲームの種類の一つで、ゲームを進めていくことでゲーム自体が永久的に変化していくというシステムです。オーススウォーンのようなRPGゲームの場合はキャラクターのレベルアップなどゲームを進行していくことでゲーム環境やルールが変わっていくということです。
これらのゲームはクリアするには時間を要するので(オーススウォーンでは四十五時間ぐらいとのこと)各ゲームセッションの後にビデオゲームのセーブあたるものが必要になります。これには専用の用紙に書き込んだり、カードをスクラッチしたり、マップにシールを貼ったりなどしていくことがあり、全てのゲームコンポーネントを初期状態に戻すこと(リセット)が難しくなっている場合も多々あります。しかし、オーススウォーンではデザイン上で初期状態に戻せないコンポーネントはないとのことです。
戦略性のあるカードゲーム
Eye of Judgmentから始まりマジックやHEXなどの対戦型カードゲームジャンル好きで、最近興味を持ち始めたテーブルトップゲームもソロで出来るカードゲームという意識から着ています。というわけで、個人的にゲームの最重要点なのはカードゲーム部分になります。
Oathsworn: Into the Deepwood (オーススウォーン: 深林へ)では敵との対戦はAI対プレイヤーパーティーとなっています。プレイヤー側は4体のキャラクターを使用することになります。この場合、各キャラクターをそれぞれのプレイヤーが使用し最大4人までの協力プレイが可能になります。
各キャラクター(オーススウォーン)は、それぞれ独自の能力と使用できるカード(デッキ)が決まっているため、Shadow EraやWorld of Warcraft TCGのようにプレイスタイルにバリエーションがある構造になっています。
各カードにはカードゲームお馴染みのリソース(ゲーム中ではアニマス)コストがありこれを使って使用するカードを選びます。アニマスはキャラクターの移動にも使用するので、移動とアビリティーカードどちらにアニマスを使うかも戦略の駆け引きにまります。
各キャラクター独自のデッキはバトル開始時に選んだ7枚のカードが手札及デッキとなりますが、7枚といえどそれぞれのアビリティーカードは自分のターンでの使用のかわりに敵の攻撃時に防御として使うことができますつまり自分のターンで攻撃のためにカードを使用するか敵のターンでの攻撃を想定して防御用として手札に残しておくかの駆け引きがうまれます。
さらに、多くはアビリティーカードには1つ以上の効果が書かれていて1枚のカードなれど場合によってその使用を変えることになります。さらに対戦カードゲームではマジックやHEXなどルールは複雑なもののゲームに奥深さを加える相手のターン中に使用が可能なカウンター構造に相当するシステムもあります。
アビリティーカードとオーススウォーンキャラクターの能力に加えて、キャラクターを強化するアイテムや装備カードもありこのOathswornのゲームに通常のカードゲームにおけるデッキ構築による戦略の奥深さの要素をしっかり再現できるようになっています。
カードの種類には他にもオーススウォーンがやられた時に戦闘に代わりに加わるアリーカードもあります。
またフルにキャラクターを使用するのにはそれなりの手間がかかるため一人で4体のオーススウォーンをフルで使わずに簡易版のコンパニオンカードと選択したアーキタイプカードの組み合わせを使う方法もあります。
イメージとしては、一人でプレイする場合メインのキャラクターをフルで使用して仲間の3人はコンパニオンカードを使ったパーティーという感じです。もちろん選択は自由で4体全てフルカードだったり、カードゲームが苦手な友人や子供にコンパニオンを使用させるということもできます。
さらにOathsworn はバトルフィールドを使用するゲームのためフィールド構造を使用した移動、地形障害物、陣営などの2次元の戦略も加わります。
敵はAIシステムを使用し全てのバトルはボス戦となっています。レベル上げのため経験値集めや素材集めなどのクエストはないとのこと。
そして今回カードゲーマーとして特に可能性を感じたのがバトルフロー(Battleflow)と名付けられた独自のシステム採用です。これは一般的なカードの召喚コストに加えてカードを手元に戻すのにかかるコストになっていますこれらのジャンルのゲームではスタミナと称されているカードのリサイクルのために開発されたシステムです。
簡単に説明するとクールダウンコストとマッチしたゾーンに使用したカードを置きます。
Batterはクールダウンコストが1なので、キャラクターの左におきます。
次にクールダウンコスト1のカードを使用した時、その時ゾーン1にある全てのカードはゾーン0に移動します。そして、0まできたカードは次のターンの始めに手元に戻るようになります。0にカードがあった場合は、0クールダウンコストのカードを使った時点でそのゾーンのカードは手札に戻ります。まさに手札を切らさず連続攻撃を行うためのスタミナというイメージで作られた構造ですね。
練りこまれたダークファンタジーストーリー
他のレガシーRPGボードゲームと比べて、Oathswornはストーリーに力を入れていてシナリオライターの中にはニューヨークタイムズベストセラーもいるそうです。
オーススウォーンの世界はオリジナルのダークファンタジー。その世界観は今後も広げいくことを前提に作り込んでいるそうです。
The monstrous Deepwood has consumed the land. No farms or fields remain. There is only corruption, rot and the endless shadow of the twisted trees. When the Deepwood came, mankind collapsed in on itself – ravaged by starvation and the stuff of nightmares. Clawing their way out of this abyss, barely clinging to life, were the great cities. They are all that survived of the old world and now stand alone, as if islands in a sea of death.
[…]
https://www.shadowborne-games.com/copy-of-oathsworn
世界はダークウッド(深林)に侵されそこに田畑はなかった。あるのは終わりなき腐食された木々の影だけだった。ダークウッドが現れた時、人類は崩壊した。飢餓と悪夢が荒廃に導いた。この深淵から抜け出そうと爪を立て、微かな命にしがみついた都市。彼らは過去の世界からの唯一の孤立した生存者達。それはまるで死の海に浮かぶ島々のように…
人類の存亡をかけてダークウッドのモンスター達と戦う誓いを立てたもの達をこの世界ではOathsworn(オーススウォーン)と呼ぶ。
ファンタジーなので魔法や人やモンスター以外の生物も登場します。
Oathsworn の世界の魔法は無尽蔵に無から生み出すのではなく火の魔法なら火の源が必要になるため、ウィッチはたいまつを常に片手に持ち、水の魔法のために水筒を持っているなどの設定がなされています。
この設定はゲーム構造に反映されていてウッチクラスの能力は各ターン火または水のヘックス(フィールドのタイル)を自分の周りに増やしていきそれを使うことで特殊アビリティーカードを使用できるというもの。
ゲームブックを使ったストーリーモード
ゲームのもう一つのモードであるストーリーモードでは、街を探索しながらストーリーを読み解いていくことになるのですがこの時下のようなマップを使用。
そしてストーリーモードはゲームブック形式でプレイヤーの選択により町のいろいろな場所を移動してきながらアイテムを手に入れたり、アリー(同盟者)キャラクターと出会ってきます。プレイヤーの選択次第では出会わずに終わるアリーもいたり、パーティーメンバーによってもストーリーの進行が変わったりするようです。他にも時間の概念がありどこでもかしこでも永遠に移動して、最終的に全ての場所を移動するだけといったこと起こらないように作られているようです。他にも迷路などのミニゲームもあるとのこと。
ミニチュア
個人的にはこれまでミニチュアゲームには興味がなかったのですが、ダンボールキャラクターとミニチュアどちらかを選ぶならミニチュアを選びます。そしてどうせなら、高品質を求めます。大量生産で最終的にプレイヤー手元に届く頃には劣化版になってるのは避けられないでしょうが、上記の写真を見る限り設計段階では最上級のクオリティのようです。
まとめ
新興企業の初プロジェクトでありながら2億円という資金調達。ゲームの説明とビデオを見る限りその価値は十分にありそうです。悩みに悩んだ結果レイトプレッジ(キックスターター後の誓約)の最終日1日前に全入りを選択してしまいました。 今後はそれぞれの詳しいゲーム構造について書いていく予定です。