今回注目はスカーミッシュ第6シーズン第1週で猛威を奮ってリビングレジェンド(LL)ポイントを増やし続けているアイスランダーのブリッツデッキです。クラシック構築版とは違いアーケンダメージ中心のデッキです。On Hit EffectのMezzoによる動画をもとにしています。
デッキ概要
アーキタイプ: アグロ
フォーマット: ブリッツ
長所
- ブリッツ環境トップクラスのデッキ
- 基本プレイが簡単
- 競技デッキとしては比較的低価格
短所
デッキ内容
シカゴで行われた、優勝賞金$1000がかかったブリッツ大会で7-0で優勝を飾ったデッキです。
Coronet Peakは実際に大会で使用することはなかったのこと。ウィザードがブリッツ環境に増えてきている状況では、Coronet PeakよりもNullrune Hoodでウィザード対策した方が良いとMezzo氏は説明しています。
⚠︎決勝戦はチームメイトのKanoデッキが相手だったのでお互いに優勝を分ける形で、実際に対戦はなかったそうです。
基本戦略
各ターン1回限定インスタント – {r}{r}: 2アーケンダメージを対象のヒーローに与える。もしあなたのターンでないなら、代わりに3アーケンダメージを与える。このアビリティはこのターン中あなたが他の’ノンアタック’アクションカードを使用した時のみに起動可能。
基本戦略はWaning Moonを使ってターンサイクルのアーケン攻撃EVを最大にして攻撃。クロックは15と最終ターンの射程が非常に大きいので、基本は2ターンサイクルでゲームを狙う「アグロ」デッキです。
今回のネタ元のYoutubeチャネルのコメントでブルーケイノと呼んでいる視聴者がいてまさにその通りと感じました。
クロック=15
対象のヒーローに4アーケンダメージを与える。もしEmeritus Scoldingが相手のターン中にプレイした場合、代わりに6アーケンダメージを与える。
レッドEmeritus ScoldingをStorm Striderで使用、アーセナルからはブルーEmeritus、そしてWaning Moonを加え、Metacarpus Nodeで強化すると相手のターン中に最大で15点のアーケンダメージを提示できます。
効率的なアーケンカード
Waning Moonは2コストかかるので、理想的なのは1コストのレッドアーケンカードによる攻撃からのWaning Moonです。
ブルーピッチで、上の3枚のどれかのレッド版を自分のターンにプレイ。そのあと、Waning Moon攻撃を追加すると結果的に2枚のカードで6点のアーケン攻撃。
ブルー版をを相手のターン中にアーセナルから同様にプレイするとWaning Moonが相手のターン中ボーナスで3点攻撃となり、合計5点のアーケン攻撃となります。
単純な攻撃EVとしては条件を満たしたWounded Bullのようにレート超過ではありませんが、アーケンダメージなのでABは大抵の場合3点以下が多く、結果的に例え2枚のカードを使っても2枚ブロックのWounded Bullと同様に1~3点のダメージが多くの場合通ります。
⚠︎Aether QuickeningのSurgeテキストはこのデッキでは効果を発揮しません。単純にScalding Rainと同じと考えください。
高火力アーケンカード
可能ならScalding Rainなどの効率的なアーケンカードを40枚積みしたいところですが、上の6枚以外はないため、代わりに入れたの高火力アーケンカードだそうです。
これらのカードは赤だと2コスト5点、青なら2コスト3点がアーケン攻撃です。アーケンカードとしては、平均レートです。
これらのカードはリソースがブルーピッチ後、1点しか余らないのでWaning Moonが続けて使用できず、結果的にターンEVとしては効率アーケン攻撃+Waning Moonに火力で劣ります。しかし、レッドカードはABが比較的高い相手でも攻撃が通るので特に役に立ちます。
Aether Quickeningと同様でSwell TidingsのSurge部分はこのデッキにおいては関係ないため、レッドVoltic Boltと同じ扱いになります。
ブルーピッチ
理想的な手札はレッドアーケンカード1枚とブルカード3枚なので、デッキにはブルーピッチ用の複数のブルーカードが含まれています。アグロデッキなので基本はピッチ使用ですが、場合によってはブロック使用も必要になるので、基本は3点ブロックです。
理想的な手札はレッドアーケンカード1枚とブルカード3枚なので、デッキにはブルーピッチ用の複数のブルーカードが含まれています。アグロデッキなので基本はピッチ使用ですが、場合によってはブロック使用も必要になるので、基本は3点ブロックです。
プレイする場合は手札の引きや相手のABからうまく攻撃を通せない場合に、試合を引き延ばすために妨害を使用できるカードです。対戦相手によってはBlizzaardやChannel Lake Frigidは連撃を止めて相手のターンEVを大きく下げることができます。
この2枚はアーセナルからプレイするとドローできるので実質フリーで相手にFrostbiteを与えることができます。
アイスランダー専門
アイス融合
Xのフロストバイトトークンを対象のヒーローのコントロール下で作成する。そして、もしIce Eternalが融合されていたなら、そのヒーローにそのヒーローがコントロールするフロストバイトトークンの数だけアーケンダメージを与える。
ブルーカードの中で、興味深いのがIce Eternalです。
通常はFrost Hexと合わせたコンボカードなのですが、今回はFrost Hexが含まれていません。もし自分が先手でこのカードが手札にあった場合は、6点リソースをFrost Biteを3個設置。残り1枚のブルカードはアーセナルに設置でターン終了。相手の最初の攻撃ターンで、ほぼ何もできない状態で終わるはずです。それ以外は、ブルーピッチと3点ブロックとして使用となります。
対象のヒーローがコントロールする対象のコスト0のオーラトークン及びオーラをX破壊する。そして、破壊された数のアーケンダメージをそのヒーローに与える。
Scourはブリッツ環境で、注意すべきデッキChane(チェーン)と現状アイスランダーに有利なデッキの一角であるPrism(プリズム)の対策用です。
Nourishing Emptiness
あなたの墓地にアタックアクションカードがない間、Nourshing Emptinessはdominateと”これがヒットしたなら、あなたのヒーローは+1{i}をターン終了時まで得る”を持つ。
1枚積み、デッキ内唯一のアタックアクションカードです。
ウィザード対策の装備状況だと、この攻撃はほぼ確実にヒットするため実質2枚で9点分のEVを発揮します。
基本プレイパターン
理想的=平均的な手札は、レッドウィザードアクション1枚、ブルーカード3枚。
自分のターンではレッドカードをブルーピッチでプレイ。残った2点のリソースでWaning Moonを使用。余った1枚のブルカードをアーセナルに設置。上の手札なら、合わせて6点攻撃を提示。
手札を補充して、相手のターンでアーセナル1枚、ブルーピッチ。自分のターンで3枚を再び同じように使用します。
ブロック戦略
アグロデッキ戦略通りに、基本はブロックよりも相手のターン中もアイスランダーの能力を使用して攻撃を優先します。
アーセナル戦略
アイスランダーの能力を使用して、アーセナルからブルーカードを使用。理想的なのは、1点コストウィザードカードで攻撃。残った2点のリソースでWaning Moonを使用。
上の例だと、Scalding Rainがアーセナルにあった場合はWaning Moonと合わせて5点攻撃となります。
先攻後攻
基本はアグロらしく後攻でテンポを維持して、プレッシャーを与えながら相手のライフ削っていきます。
インベントリープラン
Vs. Kayo
追加
- Gambler’s Gloves
削除
- Metacarpus Node
Swing Bigなどでの攻撃から、いきなり16点ダメージを提示されないように使用します。ライナーは通常の戦略で攻めます。
Vs. Benji
追加
- Ironhide Gauntlet
削除
- Metacarpus Node
ベンジの鍵となるのはSpring Tidingsによる攻撃です。1枚はCrown of Providenceで防げますが、2枚目を防ぐためにIronhide Gauntletを入れています。Spring Tidingsブロック以外には使用しないように。
Vs. Iyslander
追加
- Nullrune Hood
- Alluvion Constalles
削除
- Crown of Providence
- Spellfire Cloak
アーケンの撃ち合いの鍵とも言えるのが、Alluvionです。これらの試合は長期戦になるため、アルヴィオンをチャージして使用するWaning Moonは大活躍します。
Vs. Kano
追加
- Hope Merchant`s Hood
- Alluvion Constalles
削除
- Crown of Providence
- Spellfire Cloak
アイスランダーと同様に、Nullrune HoodでAB5かと思いきや、Kanoの瞬発力は圧倒的なので手札にブルーカードがない状態で相手が完全攻撃に回るとその時点でゲーム終了となります。そこで、Mezzoはこういった状況での負ける確率を減らすためにHope Merchant`s Hoodを使用するとのこと。
Vs. ガーディアン
追加
- Fyendal’s Spring Tunic
削除
- Spellfire Cloak
防御中心のガーディアン戦は3ターン以上続くため、Spellfire Cloakをチューニックに変更します。
コツ
今後プレイを重ねていく中で追加・変更していく予定です。
「ストームストライダーは、トドメの一撃」
ストームストライダーズ
インスタント – [resource] ストームストライダーを破壊する:このターン中まるでインスタントであるかのように、次のウィザード「非攻撃」アクションカードをプレイすることができます。
ウィザードではお約束です。ウィザードクラスの最強装備、中にはゲーム中最強の装備とも言われるStorm Stridersですが、使うタイミングはゲーム勝利の瞬間です。自分のオフェンスターンに続けて相手のオフェンスターンに相手がブロックできなくなった状態で使用することで、2ターン連続攻撃が可能になります。
初めて使用するプレイヤーは(自分を含め)ゲームの途中で、テンポを得るためや主導権を得るために使用すると後悔します。世界王者ハミルトンはUSAナショナルとワールドチャンピオンシップで、ゲーム終了の一撃以外でStormstriderは1度たりとも使用していないと公言しています。
理由としては、FABは相手が完全に防戦一方に回った時1点のライフでも粘ることができます。そこでほとんどのデッキに最後の1撃・将棋などの詰めの1手が必要なのですが、ウィザードクラスの場合普通に自分のターンでの攻撃だけだとこの詰めの1手がだせない場合が多々あります。
さらに、Stormstriderが場に残っているだけで相手はトドメの一撃を恐れて手札を空にしにくくなり、多くの場合は存在だけで毎ターン相手の手札使用を1枚妨害し続けていることになります。
「Crown of Providenceを使え!」
通常は装備ブロックは効率よくブレイクポイントを超えたオンヒット効果を防ぐために使うのが理想的なのです。しかし、Mezzoはもし手札に2枚のレッドカードがある場合なら、迷わず最初の相手の攻撃ターンからCoPでブロックして1枚を入れ替え、理想的な3枚ブルー・1枚レッドの手札を狙うべきと言っています。アグロデッキなので、とにかく早い段階で予定通りの攻撃を仕掛けるという意味で納得いきます。
ウィザード戦略
対ウィザードの場合は、お互いABが高いので長期戦となり、スキルがより重要になります。
Mezzoは試合を3フェーズに分けて説明しています。
- 序盤・削り合いフェーズ
- 中盤・様子見フェーズ
- 終盤・トドメの1撃フェーズ
序盤はお互い先に、相手のライフを射程範囲の10ライフ程度に削り合います。他の試合と同様、後手としてプレイすることですが理想的ですがもし相手に先手に回された場合は、1つのトリックとして自分のヒーローをアーケンダメージの対象に選択してアルビオンをチャージするという手段です。
そのあとは、1ターンサイクルでゲーム終了できる瞬間までお互い様子見となります。ここで重要なのは、自分のターンでリソースを使い切らないこと。例えば、レッドScalding Rainで攻撃。余った2リソースは相手が攻撃したきた時用にに維持。もし、相手がScalding Rainを2枚ブロックしてきた場合は相手は次のターンでこちらの射程範囲となります。ウィザード戦の基本は手札を先に空にした時点で負けると考えることです。
ミラーマッチで重要な役割を果たすのが、Nourishing Emptinessです。先にこのカードが提示できれば相手に対してカードアドバンテージが生まれます。
また、Stormstriderの使用も気をつけないといけないのが、相手より先に使用すると相手はその解決前にStorm Striderを使用。この時Stormstriderは使用のコストとして消耗されてるため、AB2点分失った状態となって逆にカウンターでやられる可能性が上がっています。
デッキ評価
⚠︎全て個人的な意見です。今後プレイを重ねるうちに変更する可能性もあります。
面白さ: A
ウィザードを使用しているのに、基本はとてもシンプル。しかし、ウィザード特有の相手のターン中に攻撃もしっかりと戦略的に使用するデッキなので、アグロアーキタイプの爽快感と、ウィザード駆け引きが絶妙なバランスで組み合わせっていて、プレイしていて楽しいデッキと感じました。
操作性: A-
ウィザードデッキといっても、基本戦略が非常にシンプルなアグロデッキなので操作性は抜群です。ただし、相手がウィザードだとお互いにプライオリティを渡し合いながらプレイするのでカード使用タイミングをしっかり覚えておく必要があります。
コスト: B
Mezzoのデッキリスト通りだと$720とブリッツデッキにしては高額に思えます。しかし、Spring Tunicがサイドボード、Coronet Peakも実際はNullrule Hoodに変えるべきとことなのでこの2枚を抜くと$445まで下がります。
Budget Friendlyアイデア
予算に優しいバージョンを簡易的に作成するとすると、Crown of Providenceがデッキに含まれる最大の理由は手札補正なので、Hope of Merchantに入れ替えると$230が引かれて約$200~$250のデッキとなります。これでも基本戦略は遂行できるので、競技性を考えると予算的には優しいデッキだと思えます。
競技性: A
Despite losing access to several Wizard, Elemental Wizard, and Ice cards on the banlist, Iyslander has boasted the most impressive win streak this week.
複数のウィザード、エレメンタルウィザード、そしてアイスカードが禁止リストに加わったに関わらず、アイスランダーは今週最も多数の連勝を達成しました。
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柔軟性: A-
メインデッキカードが入れ替えられないブリッツではデッキ戦略を多きく変えることは不可能ですが、Iyslanderは基本アグロでも、長期戦にも対応できる柔軟性を持っています。
感想
CCのブルランダーとは打って変わって、完全アーケン攻撃型のデッキ。しかも、相手を2ターンサイクルで倒そうとするアグロデッキ。CCとブリッツの環境の違いを差し引いても、全く違うデッキをプレイしている感覚です。ブリッツKanoに比べて非常にプレイしやすく、ウィザードをプレイしている感覚は味わえるのにシンプルな操作性というがとても気に入りました。
筆者はこのデッキの存在を知ってから二日ほどTalisherで練習。人生初の対面TCG・構築大会(スカーミッシュ)に参加。結果は2勝2敗で予選落ち。
Vs. Dorinthea, Quicksilver Prodigy ○
Vs. Ira ○
Vs. Iyslander ×
Vs. Dash ×
アイスランダー戦は完全ミラーマッチ。最後の手札にもしレッドでなくブルーピッチが残っていれば勝利できた一戦だったので、惜しかったと思います。
ダッシュ戦は、相性的にはダッシュの方に分があるようなのですが、それ以上に一方的負けたと思います。ダッシュ戦経験は不慣れで、完全に筆者のスキル不足でした。というわけで実際に三日ほどプレイしてみた筆者の感想は、経験を積めばこのデッキ・ガチで強いと思います。
情報元
- On Hit Effect: 今回の記事のネタ元です。丁寧に各カードの説明と、サイドボードプラン説明。そしてTalisharでの実戦もあるのでデッキテック動画としては5つ星です。