【ボードゲーム】Aeon Trespass Odyssey | ファーストインプレッション

現在、キックスターターキャンペーン中、Board Game Geeksで9.3という超高評価を得ているアドベンチャーボードゲーム・Aeon Trespass: Odysseyのチュートリアル体験と動画ネットリサーチによるファーストインプレッションです。

最初は、とりあえず$1プレッジで後でゆっくり考える予定がキックスターター終了の2〜3日前に追加されたキックスターターキャンペーン中のみ限定のオールイン・ディスカウントが惑わせてきました。これを逃して果たして自分は後悔するのか?逆に買って後悔するのか?自分の頭を整理する意味で今回の記事を書いてみました。

⚠️個人的には購入した場合のネタバレを避けるため、実際のAeon Trespass: Odyesseyはチュートリアルのみと、同様の部分のストーリーレビューしか見ていないため、ゲーム超序盤の断片的な情報のみを元にしています。

https://www.youtube.com/watch?v=mArUacwq3K4

ゲーム概要

Aeon Trespass(イオントレスパス)シリーズは、1~4人用のミニチュア・アドベンチャーボードゲームです。

最近の大型アドベンチャーボードゲームではよく見かける、戦闘モード、探索モードとストーリーモードの3つから構築されています。ボスバトル系ボードゲームの代表的なKingdom Death MonsterとテレビゲームのRPGから大きな影響を受けて作られているゲームです。

定義は曖昧ですが、アドベンチャーボードゲームは戦闘モードによって、ダンジョン探索系かボスバトル系かに分類されることが多く、Aeon Trespassシリーズはボスバトル系に分類されます。

Aeon Trespass: Odysseyには複数のエキスペンションが存在しますが、各シリーズ60時間以上のゲームプレイと言われていて、プレイレビューをいくつか見てもこの数字に偽りはないようです。

価格としては、オデッセイシリーズの5つあるサイクルのうち、最初の3つが含まれたコアセットならキックスターターキャンペーン中なら、米国で$291。定価は$399。

間も無く終了する、キックスターターキャンペーン期間限定価格のオデッセイシリーズのゲームプレイパーツ全盛りパックだと通常定価$958のところが$599となっています。

さらに上だと、今回のキャンペーンで公開されたAeon Trespassシリーズ最新作の、Twelve Sins of Herakles(TSoH)のプレイパーツも全部つけると定価$$1634が$1029と40%セールになっています。

ちなみに、キックスターター中しか購入できないアイテムはないとのこと。

最新のシリーズAeon Trespass: Twelve Sins of Herakles(TSoH)とAeon Trespass:Odyssey(ATO)シリーズはそれぞれ独立したゲームで基本的な戦闘システムや世界観は共有していても、それぞれ単体のシリーズとして遊ぶことになります。

例えるならドラクエやファイナルファンタジーのナンバリングの差のような感じと捉えています。ただし、一部のパーツは片方のゲームで使用したタイタンやPrimordialははもう片方のゲームで使用することも可能なようです。

ATOの基本評価は?

開発会社はInto the Unknownというポーランドのゲーム業界で働く友人同士が設立した会社で、2017年に初のキックスターター・Aeon Trespass:Nymphというミニチュアのみのキャンペーンを公開。$30,000以上の支援を受け成功。続く第2弾キャペーンも同様にミニチュアのみ、Aeon Trespass:Eschatonは約$26,000の支援を受けました。どちらもAeon Trespassのタイトルが付いてはいるもののこの時点ではゲームではなく完全にミニチュアのみでした。

その後、2018にはゲームとしては初挑戦したキックスターターゲームはカードゲームのジャンルでした。しかし、このゲームにはAeon Trespassの世界観も名前も使われておらず、結局このキャペーンは支援ゴールに達成できず失敗したようです。

そして、ついに満を持して2019年9月に3週間のキックスターターキャンペーンとして登場したのが、Aeon Trespass:Odyssey(ATO)です。キャペーんは8000人以上のバッカーから、米国💲で100万ドル以上の支援を受けインディーズボードゲームとしては大成功を納めました。

その後、商品がプレイヤー達の手元に届いたのは当初の予定よりも二年近く遅れた2022年12月頃のようですが、ゲームの評価は自体は驚異的なものと言えます。現在、アメリカ最大のボードゲームサイト・Board Game Geeks(通称BGG)で1900人以上の評価で9.25点という評価を得ています。

これは、他のゲーム比較するとその凄さが分かると思います。長年BGGで1位に君臨し続けた伝説のレガシーボードゲーム・グルームヘイブンは現在8.6点。ただし、グルームヘイブンは5万8000人以上の評価を受けているので、BGGの総合ランキング計算方式では3位に君臨し続けています。

ミニチュア・ボスバトル系のキングと呼ばれ、ATOのゲームデザインもインスピレーションを間違いなく受けているであろうKingdom Death Monsterは9200人以上の評価で8.5点。

ATOと頻繁に比較に上がり、いくつかのボードゲーム賞にもノミネートされた・ダークファンタジーアドベンチャーボードゲームOathsworn: Into the Deepwoodだと2400人で9.1点。

1000人以上の評価を得ているアドベンチャーボードゲームとしてみれば、現在のところ実質、最高得点のゲームとなっています。

今後よりプレイヤー人口が増えれば自然と平均点数も下がっていくと思うので、このままとはいかないでしょうが、高評価なゲームと断言できるゲームのようです。

BGG以外もいくつかのメジャーなボードゲーム専用動画チャンネルで高い評価を受けています。

中には次世代のKDMと称して、KDMとATOどちらかを薦めるなら迷わずATOという動画もありました。

また、有名な動画チャンネルというわけではありませんが、40時間プレイ後の感想として、チャンネル市場2度目の快挙となる10点中10点の満点をつける動画もありました。

個人的には、以前からボードゲーム情報元としてチャンネル登録しているThe King of Averageからの高評価も印象的です。このチャンネルでは、数年前のサンプルでプレイした時のシーンをいまだに子供と話したり、当人がこれまでプレイしてきたボードゲームの中で最も、協力プレイを意識したコンバットなど大絶賛しています。

世界観

アドベンチャーボードゲームである意味最も重要なのが、ゲームの世界観が自分の趣味と合うかどうかだとおもます。

ゲームシステムは、もちろん重要なのですが、個人的にはこのジャンルのゲームはある意味・遊べる小説のような意識なので自分の興味と一致しない世界観はその時点でプレイする価値を見出せなくなってしまいます。(小説読まないけど…)

Aeon Trespassの舞台はギリシャ神話の神々が絶滅した世界。神々がいなくなった世界に訪れる脅威は、異世界から訪れる謎のプライモーディアルと呼ばれるボス級モンスター。

プレイヤーは第3者の視点からアルゴ(Argo)と呼ばれる謎の船で目覚めた記憶喪失のアルゴノーツ(Argonauts)達の旅と闘いをプレイしていきます。アルゴノーツ達はは特殊な力でタイタンとシンクロして、戦闘時には4人のアルゴノーツがそれぞれ操作する4体のタイタン 対 プライモーディアルとなります。

プライモーディアルたちは特別な力、Aeon Trespassフィールド、通称ATフィールドで守られているという設定があり、筆者の中で頭に浮かんだのが「エヴァンゲリオン」の世界です。プライモーディアルが使徒で、エヴァがタイタン、そしてアルゴノーツがエヴァのパイロット達を想像させました。ただし、ゲームのストーリー自体は全く違いますが。ゲームのジャンルとしては、SFだそうです。

アルゴ船はそれ自体が謎めていて、ストーリーを進めていくことでアルゴ自体の秘密やテクロジーを開発していくことでアルゴがまるでまちづくりのような感覚を味合わせてくれるような印象を受けました。

使徒は一度撃退しても何度も同じ使徒と戦うことになるようです。一つのキャンペーン(サイクル)では最大でも4体の使徒のみと戦うことになるそうです。ただし、同じ使徒だからゲームが同じことの繰り返しというわけではなく、同じミニチュアを使ってもモンスターAIや能力が変わることでその都度戦う度に違うバトルが楽しめる設計になっているそうです。まさにボスキャラというイメージで、何度も使える各ミニチュアは、コスパがいいと言えるゲームなのかもしれません。

ストーリーを進めていくことで、アルゴノーツ達は断片的に記憶のかけらを手にしていき、それに合わせて能力などもの開花していく様です。ただし、どの記憶の断片がどのアルゴノーツに行くかはランダムなので各アルゴノーツのキャラが固定されているわけではないようです。

ここからはゲームプレイモードなどを個別に見解してみます。

バトルモード

ここではルールの詳細は省いて、感覚的な観点からゲームプレイを説明します。

タイタン vs. 使徒戦はバトルマップを用いて行います。タイタンのボスに対する攻撃は成功すれば、部位破壊ができ破壊された部位によって効果が色々あります。また、部位破壊を受けた使徒はその瞬間から強化されます。そして、この「ゲーム中の強化」というのがこのゲームのセールスポイントとなっています。

Aeon Trespassでは、アニメやテレビゲームの用に戦闘中にタイタン側も使徒側も強くなっていき、バトルが加熱していきます。傷付けばつくほど火事場の馬鹿力が発揮されるシステムとなっています。

タイタン側におけるこの究極系がスーパーサイ○人に匹敵するゴッドフォームと呼ばれるシステムです。実際に筆者はこれは体験していないのですが、絶滅したギリシャの神話の神達の力が一瞬だけ宿る状態のようです。強化はもちろん、タイタン自体の乗り換えや装備、アルゴノーツの能力など、ストーリーを進めることで強化されていく部分面もあります。

戦闘は必ず4体のタイタンで開始されるため、ゲームは1~4人用となっています。他のプレイヤーとのシナジー・コンボを出すという意味で、ATOでは、自分のターンの終了間際に次のプレイヤーのためにいくつかのトークンを設置できます。これらのトークンは次のプレイヤーのダイスロールなどに恩恵を与えることができます。

ただ、この連携プレイを使っても他のプレイヤーのプレイ中に自分は、ただ見ているだけという要素は残っているので、筆者が参考にしたYoutubeの動画ではこのゲームは基本的には4人プレイよりもソロや二人用いう印象を個人的には受けました。

しかし、King of Averageの動画では意図的なトークンを使ったシナジーとは別に、タイタンの配置の組み合わせで使徒にダメージを与える戦略性がマルチプレイに向いていると発言していて、「過去にプレイしたゲームの中でも最も協力プレイに適している」という発言をしています。この辺りは筆者が、ゲームの奥深さに気づいていないだけかもしれません。

ゲームはボスバトルジャンルなので、鍵となるのはボスとの命懸けの攻防・「手に汗握る」ドラマチックな一瞬がどこまであるかだと思います。ルールを学ぶのに必死な筆者は、チュートリアルではこの辺はなんとも言えませんが、Youtubeレビューなどを見ているとこの部分に関しては、ゲームの長所として捉えている人たちが多いようです。

ゲームルールの複雑性!!

実際に、これらのプレイ感覚を生み出すため作られたゲームルールですが、チュートリアルのバトルをほぼ2回体験した感想としては、覚えやすそうで覚えにくいです。チュートリアルから複雑に感じたルールですが、ゲームを進行していくとさらに複雑になっていくようで、この点を欠点として挙げているレビューがいくつかありました。

中には開発会社からサンプルとしてフルゲームを受け取ったため実際にゲームをプレイしたものの、ゲームの複雑性を中心にAeon Trespass: Odysseyを酷評しているものもありました。

ゲームルールの複雑性は、アドベンチャーゲームの規模が大きくなればなるほど、ある程度は必要なのかもしれません。考え方によっては、新しいTCGを学ぶのと同じで、シンプル過ぎるルールだと後々のゲーム構造で出来ることが限られてきてしまうので、しっかりとしたルール基盤を作っておくことで個々の戦闘に独特の感覚を持たせ、将来ゲームを新鮮に保ち続けられるという考え方が当てはまるのかもしれません。

特に、Aeon Trespassは今回のキャンペーンでも、Aeon Trespassシリーズの間に行われた別のゲーム・Kingdoms Forlornのキャンペーンでも、基本同じ戦闘システムを利用してます。つまり、開発チームの中ではこのゲームシステムは完成されたシステムとして設計されていて、1つのゲームに限らず今後もこのルールを下にゲームを作っていく様に考えた作られたシステムと理解できます。

ただし、初心者には複雑なルールという感覚は変わらないので、鍵はプレイヤー達がルールをしっかり覚えようと思えるぐらいゲームが魅力的なのか?ルールの複雑性に邪魔されずに、慣れるまでゲームへの興味が続くか?という点が重要なのかもしれません。

TCGで例えると、マジックなどを初めてプレイしたプレイヤーがマジックのルールの複雑性の中に可能性を感じるか、ルールが難しすぎて面白さを見出せずに辞めてしまうかに別れるのと似ている気がします。

運ゲーム!?

個人的には対人ゲームのTCGは運よりもスキルを重視する派ですが、アドベンチャーボードゲームは基本的に一人でやるので運の要素は必要不可欠なスパイスとなっています。

ATOは良くも悪くも、サイコロゲームです。

  • 相手の攻撃を受けるか受けないか?
  • 相手にダメージを与えられるか?

基本サイコロで決まります。

他にも、受けたダメージによるトラウマ効果、相手の部位破壊部分などもデッキからカードを引く運で決まります。

しかし、サイコロに関しては装備やアルゴノーツの強化、味方のトークンに、トライスケリオンシステムなどで運の要素をある程度コントロールする手段が搭載されています。

それでも、中には完全な不運によってバトル開始直後にタイタンのターンが来る前に、いきなりタイタンが死んでしまうということも起こり得るようです。こういう状況に対して、ゲームのバランスとしておかしいと感じるか、それともこれをドラマチックな瞬間と捉えるか?でこのゲームとの相性が分かれそうです。

個人的には、この辺はD&Dなども同様なので、重要なのは実際どこまでゲームシステムが総合的に見て運の要素のバランスが取れているかがだと思います。

例えば、上のATOを批評していた方は、実際にプレイ中に最初のターンでいきなりタイタンが1体やられしまったことをマイナスな面として語っていました。しかし、結果的に3体のタイタンでもそのバトル勝利したとのこと。これに関してはレビューアーは運の振れ幅が大き過ぎて定まらない「運」ゲームと完全否定のような発言をしています。しかし、個人的には結果だけ聞くと、ドラマチックな展開の連続ではなかったのか?と疑問を持ちます。

 別のボードゲームでの体験ですが、あと1撃で勝利とのいうところで不運的なサイコロの振りの連続で相手に逆転勝利されるという経験がありました。ただ、この時の体験としてはサイコロの振りが悪すぎてつまらなかったという印象ではなく、1回1回振るたびにお互いドキドキしながら楽しめたという感覚でした。

ちなみに、このゲームではタイタンがやられる=アルゴノーツが死ぬではないということと、アルゴノーツ自体がゲームの主人公というわけではないので、万が一アルゴノーツが死んでも別のアルゴノーツが加わりゲームが続きます。

というわけで、適度に運の要素が戦略的にコントロールできているなら、個人的にはこの辺は長所として捉えます。

探索モード

Voyageフェーズでは、戦闘とは独立したゲームルールに沿ってArgo船で世界を探索していきます。このフェーズでは自分で次にどこに進むか決めて、それにあわわせてタイルbを繋げながら世界の地図を作成していきます。

それぞれのタイルでは様々なイベントが起こります。

ゲーム中の様々なリソースを得たり、武器や装備のクラフト、テクノロジーの研究、にストーリーモードへと繋がるアドベンチャーイベントがあります。

テレビゲームのRPGでワールドマップを歩き回りながら、次はどんな発見があるか?何が起こるのか?という感覚を味わえるゲームモードのようです。

テクノロジーの研究=街づくり?

テクノロジー研究は、決まったタイミング時に自分で研究させたい=アーゴ船に追加させたい機能・施設を決めるもので、新たに加わったテクノロジーは探索モードや戦闘モードやなどで特殊な効果をもたらします。

ストーリーも、Argo船の中は信じ難いほどのスペースがありそれはまるで街が収まるかのようといった表現もされているため、テクノジー研究は他のゲームの街を発展させていく要素の様に受け取りました。

例えば、チュートリアルの序盤で研究されたTitan Stoaカードの効果はArgo船の中にタイタン10体まで保管・停泊させておける施設が追加されたことにになっています。

クラフトシステム

タイタンも武器も、アルゴノーツもそれぞれ進化やクラフトがあるようです。

例えば、戦闘中でボスの部位破壊を行った時、破壊した部位によって得られる素材が変わるというシステム。

そしてクラフトに必要なテクノロジーの研究を終えていれば、あとは素材が揃っていれば新しい武器などをすぐに作成できます。

このあたりのシステムは、モンハンっぽいっという印象を受けましたが、実際に公式でオデッセイのデザインが影響を受けたゲームのリストにモンハンの名前も上がっていました。

 

初めてのプレイで個人的に感じたのは、ルールが少し複雑すぎるか?2回目では、やることが多くて大変そうだけどなんでもできそう。と好印象の方に変わってきました。

しかし、参考にした動画の中には、ATOの探索モードに面白さは感じつつも、「The 7th Continent」と比較すると見劣りするという発言をしていました。やはり、探索モード中心で作られたボードゲームの域までは達していないようですが、この辺は深く作り込みすぎてもゲーム層がそこまでを求めているかが微妙なところなので個人差があると思います。

探索モード中に起こった内容で、タイタンが戦闘に出る時のパラメターなどが変化していたり、アルゴ自体のパラメターが変動したりします。また、探索モードのイベントとしてアドベンチャーが発動してそこからストーリーモードに移行したり、基本的に、探索モードは3つのゲームプレイモードを繋ぐ中心的な存在のような印象を受けました。

ストーリーモード

このゲームのストーリーは非常に評価が高く、これまで筆者が見たYoutube動画だとゲームでストーリーを読むのが嫌いというプレイヤー以外はほぼ全員が称賛しています。これはそのストーリーが非常に引き込まれるダークファンタジーと評価されている、Aeon Trespassと同等レベルかそれ以上で注目度の高いOathswornと比較する発言も出ていました。 

ただし、英語に関してはギリシャ神話は聖闘士星矢しか知らない筆者には辞書を使いながらのプレイとなること間違いなさそうです。

3観点からのストーリー

ゲームの最終目的は、メインストーリーを進行させて最後まで終えることです。RPGゲームでのメインストーリー・メインクエストに当たりますね。

これとは対象に、Doomストーリーという敵側の観点からのストーリーもありDoomストーリーが先に最後まで進んでしまうと、ゲームオーバーとなります。

そして2つのストーリーとは別にかくサイクルに1つずつArgo独自のサイドストーリーが用意されているそうです。進行させていくことです。これを進めていくことで、Argoの秘密や世界の謎を知れるそうです。大型サイドクエストという感じでしょうか?

アドベンチャー

探索フェーズのイベントの一つにアドベンチャーがあります。

例えば、チュートリアル最初のアドベンチャーでは、数行の状況説明の文の後に、プレイヤーが船員を失うか?船員を守るために船体を消耗させるか?かの2択を迫られます。

このゲームでは、万が一アルゴノーツがやられたとしても、ゲームオーバーにはなりませんが、アルゴがそのヒットポイント的なものを失った場合はゲームオーバーになる様です。そして、この船のヒットポイントこそが船員人数(Crew)と船体の状態(Hull)となっています。

その後に似たようなイベントがあり、2回連続して船員を犠牲にするような選択を選んだ場合は、船員達の信頼を失い後々にその代償を払わなくてはいけなくなるような記載もありました。

また別のイベントでは、アルゴノーツのスキルテストもあります。

これは、D&DなどテーブルトップRPG経験者には馴染み深い、ダイスロールで決まるスキルテストの出目の数をスキル値の分補正することができるというもの。例えば、Courage(勇気)+1のアルゴノーツが勇気7以上のスキルテストを行う場合は、6以上出せれば成功となります。スキルの種類は全部で6種、偶然にもD&Dと同じ数ですね。

スキルテストの結果によって、戦闘開始時に直接影響が出るトライスケリオンシステムのパラメターが変動したりと他のモードへの影響が現れます。

ストーリーは義務

いかによくストーリーが書かれていたとしても、プレイヤーの中にはストーリーではなく単純に戦闘や探索のゲーム要素だけを楽しみたい人たちも多いともいます。最近では、こういったプレイヤー層のためにストーリー部分をそれぞれ1文に簡潔にまとめているゲームも見かけるのですが、ATOでは残念なことにこういった心遣いはありません。

こういったシステムはストーリーを読みたくないプレイヤー以外にも、他言語の壁を持つプレイヤー層にもウケがいいと思うのでセコンドエディションや最新版のTwelves Sins of Heraklesでは何とかして欲しかったところです。

ただし、読むのが辛い・読むのより語り聞がしたいという場合なら、セコンドエディションのキャンペーンでForttellerによる全ゲーム文をプロが読んでくれるアプリの登場が決定しました。

ミニチュア 

ミニチュアゲームなので、やはりミニチュアのクオリティは重要だと思います。この辺はレビューに頼りました。King of AverageやRob’s Tabletop Worldでのミニチュア評価が高いので、ここはクリアーですね。

個人的に興味を惹かれたのが、ミニチュアとゲームプレイの関係を1歩先に進めているところです。例えば、使徒に乗って攻撃するバンテージポイント攻撃をミニにパーツを加えることで再現できるようです。

欠点

既にゲームの短所的な部分にいくつか触れてていますが、特に頻繁に挙げられているのが以下の3点です。

  1. ゲームが物理的なスペースを取りすぎる。
  2. ゲームプレイ外のの対処が弱い。
  3. ルールの複雑性

スペース問題

このゲームは、戦闘モードも探索モードもそれぞれかなりスペース取るようで、ただでさえ大きめに作られているアメリカのダイニングテーブルですら、それ1つでは両方のゲームモードは収まらないぐらいスペースを取るそうです。

ゲームプレイ以外でのサポートが弱い

例えば、1~4人用と定義されていても、ATOでは戦闘時は必ず4体のタイタンの使用が必要となります。つまり、ソロプレイだと4体すべて一人で操作することになります。ゲームによっては、こういった状況のために簡易版キャラクターを用意してメインの1体以外は簡易版で遊べるように作られているのですが、ATOではこういったサポートはありません。

また、ボックスもカードなどの整理を簡単にするディバイダーなどはなく、種類によってはカードに数字もないため探すだけで一苦労という発言をいくつかの動画で聞きました。

専用アプリがあるので、そのあたりはいいと思うのですがボードに出したアルゴノーツやアルゴのテクノロジーカードなどを簡単にしまえる方法もないそうです。ただし、アルゴに関してはセコンドプリント版のキックスターターで専用のバインダーを別売りで販売することを発表しました。

ルールの複雑性

ATOが強く影響を受けたゲームがKingdom Death Monsterのようなので、これを既にプレイしてきたプレイヤーにとってはATOのルールはすんなりと受け入れられるそうです。また個人的にはKDMはプレイしたことがないのですが、D&DやPathfinderなどテーブルトップRPGのルールと比較しても多少戸惑うところなどはありますがそれ以上に複雑という印象は受けませんでした。ただ、グルームヘイブンなどと比べると明らかに全ての面でステップ数と維持しておかなければいけないデータやカードが多いためボードゲームとして考えると、慣れるまではやはりかなり複雑な部類に位置します。

ファーストインプレッション

このゲーム全てにおいて詰め込んでいるな〜と思えます。このゲームはどんなプレイヤーのために作られたかと言われると、とにかく一つのゲームをやり込みたい・やり続けたいというプレイヤー達のために作れたゲームであり、それ以上にプラットフォームという印象を受けました。

戦闘では、ボスバトルの代表と言えるKingdom Death Monsterやモンハン。探索モードでは、探索系ボードゲームで高い評価を持つ7th Continent。ゲームシステムと世界観の中に一部に垣間見えるのは日本を代表するアニメ達から受けた影響。アドベンチャーストーリーモードには、テーブルトップRPGの王道であるD&Dなどでお馴染みのシステムも使用。各キャンペーン60時間以上遊べて、その数5つ。そして最近公開されたAeon Trespass: Twelve Sins of Helaklesでも同じ世界観と基本は同様のシステムを使用。追加として、個々のミニとそれに同梱されるカードやストーリー。

はまったプレイヤーは本当にこのプラットフォームでいつまでも遊び続けていけそうです。まさにボードゲーム界のTCGやWarhammerを目指しているようなゲームです。実際、KDMはこれに成功しているのでAeon Trespassシリーズも十分にその可能性はあると思います。

ただこういったプレイヤー層を対象として作られているゲームなので、このゲームで遊ぶということはそれだけの覚悟が必要ということになりますね。

個人的なキックスターターの最終判断としては、オデッセイは再版となるので来年の春頃には届く予定で、3つのキャンペーンを同梱した定価$399コアボックスだけでも全て遊び尽くせれば200から300時間楽しめるそうです。時間で割ると1時間$2ドル以下。

途中最新セットも含めた、完全ゲームプレイ・オールインの1000ドルを選んだり、オデッセイシリーズのみのオールインにかえたりと最後まで迷い続けましたが、最終的にキックスターターはセールは逃しても、よりじっくり調べてからそれでも欲しかったら、あとで購入するための考える時間を購入したつもりでセールス分を逃した$1プレッジにしておきます。とりあえずオールインしがちな性格の自分からすると一つ大人になった気がするな〜。

オススメ動画

ATOに関する動画は複数あり、記事の中で紹介していない動画でもいくつもためになるものがありました。ここではそのいくつかをリストアップしてしておきます。

非公式ですが、公式以上にプロの技術で作り込まれたハイクオリティ・ゲームルール説明のビデオは後になって存在を知りました。

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