[Altered TCG] Alteredの魅力① ”理想のテンポ”

最近少しだけハマりつつある現在キックスターターキャンペーン中の、フランス発最新・TCG「AltereD」。実際に蹴るかどうかは迷っているのですが、ここ数日は暇さえあればBoard Game Arenaでオンランプレイをしています。同じデッキでプレイし続けてるうちに、プレイヤー観点から見たこのゲームの魅力が自分なりに少しだけ分かってきたような気がするので、つい先ほど終えたばかりの実際の1試合の流れを見ながら数回に渡っ語ってみようと思います。

テンポ

ゲームルールの面から見ると、AltereDは確実にシンプルな分類に入ります。シンプルなTCGの長所の一つが誰でも遊べるという点の他に、1ゲームが短いというところにあります。AltereDは公式では1試合15分から30分と書いてありますがまさにその通りです。

ただし単純に1試合が短い=テンポがいいというわけではありません。同じ30分でも、ダラダラと流れていく時間と内容が濃い30分では体感時間が全く違います。というわけで、自分の中で「テンポ」がいいゲームというのは良い意味で体感時間が絶対時間より短く感じるものだと思っています。楽しい時はあっという間に終わってしまうということですね。

そして、AltereDの魅力の一つがこの「テンポ」が絶妙だと言える点だと思います。

無駄のない初手

自分が使用したのAkesha(アキーシャ)のコントロールアーキタイプスターターデッキ。対する相手はNevenka(ネヴェンカ)の「運」任せ?スターターデッキでした。

まず最初にこのゲームでは、お互いのプレイヤーがデッキから6枚のカードをドローします。この時点で他のゲーム違う点は2つ。

一つ目はマリガンがないという点。2つ目はこのゲームは、初手のマナ設置数。このゲームではカードをマナゾーンに設置していくことでマナを溜めていく犠牲型リソースシステムを使用しているのですが、通常は最初のターン1枚設置のところをいきなり3枚設置から始められます。

この二つの組み合わせにより、マリガンがないのに運の要素を抑え、さらに他のゲームで多く見られるゲーム序盤の数ターン(このゲームではラウンドと呼ばれる)マナを設置増やしていく「ランプ」ターンの部分が省略されています。これにより、最初のラウンドからアグロやコントロールなどのデッキスタイルに関係なく意味のあるプレイ・「選択」が迫られます。

ちなみに、正しい選択かは分かりませんが自分が使用したデッキはコントロールアーキタイプなのでこちらが攻めるよりも相手の妨害を中心に行なっていくという点から、長期戦を狙っていくプランです。

これまでの数限られた経験から、最初のラウンドは相手は高確率で3点のキャラクター1枚をどちらかのゾーンに設置してくると予測。こちらは同じ3点のキャラで可能なら、相手の進行をブロック。それが、無理なら逆の探索ゾーンでこちらも1マス進めてゲームテンポを保つことにしています。

カードを1枚ドロー。

そこでお気に入りのカードがバーバーヤーガ。相手とテンポを保ちつつ、こちらはカードアドバンテージを1ラウンド目から得ることができます。ただし、今回の場合はアリスがレア版で同じ3コストなのに圧倒的に上位のパラメーターを持っているので、こちらをキープすることに。

残りのカードは次のラウンドで4マナになった時の使用を考えながら行うのですが…

対象のハンドコスト3以下のキャラクターをリザーブへ送る。

この辺はカジュアルプレイヤーの思考限界ということで除去カードがどうしても強く見えてしまいついついOff you go!を2枚手元に残すことにしました。

実際にゲームが始まった後のテンポの鍵は「同時ターン」システムの理想的な使用方法にあります。このゲームでは、一つのラウンドを交互にカードをプレイしながら進めていくシステムを採用しています。

ルールの基本はそれぞれのプレイヤーは自分が優先権を持っている時に、カードを1枚だけプレイできます。カードを一枚プレイした時点でそのカードは解決します。そして、自動で相手のプレイヤーに優先権が移ります。

自分に優先権がある時に、どのカードもプレイせずに相手に優先権を譲りたい場合は、他のゲームと同様に「パス」を宣言することになりますが、AltereDではこの時点でそのプレイヤーはこのラウンドの優先権を全て失ったことになります。つまり、相手のプレイヤーは残りのラウンドを気が済むまで自由に連続してプレイすることができます。最終的に両方のプレイヤーがパスした時点で、他のゲームで戦闘の解決とエンドフェーズに相当するフェーズに移行します。

自分はFlesh and Blood以前は、殆どデジタルカードゲームばかり、紙のカードゲームは数える程度だけ友人や家族と経験しただけだったので、Flesh and Bloodでお互いにルールに沿って紙でプレイした時に、自分がパスというタイミング、相手にパスを聞くべきかなど毎回悩んでプレイしていました。不慣れな自分にとってはこのあたりで実際のプレイ時間の4分の1ぐらいは無駄にしている気がします。

しかし、AltereDではパス宣言は各ラウンドお互い一度きりで、相手のカードが場に置かれた時点で将棋などと同様に自然と自分の番が来たとわかるためゲームがサクサク進んでいきます。

ちなみに、カード効果などの発動はプレイとしてみなされないため、効果発動を行なってからカードプレイというシナジーなどはありです。

2枚ドロー

さらに各ラウンドのテンポを良くしている要素は、ラウンドの開始時に引く手札の枚数が2枚という点です。他のゲームのように1枚だけだと、ドローエンジンがないデッキだとゲーム中盤では、手札に引いたカードをプレイするかしないか?の2択になってしまうことも多々あります。そこにさらにマナゾーンにカードを送るかの選択が加わると、マナ設置のみでそれ以外は何も起こらないままターンが終わってしまうことも。AltereDではこれが2枚なので、単純に見ても1枚ドローゲームの2倍速でゲームが進行していく感覚になります。

最後のテンポマジックはゲームの勝利条件が、両側から進行した最低7マス移動というゲームの勝利条件にあると思います。

AltereDのゲーム最終勝利条件は、相手のプレイヤーより先に自分のヒーローとコンパニオンが同じマスにたどり着くこと。二つのコマの間には6マスあるため最終的に最低でも合計7マス進まなければ勝てないということになります。

これを他の戦闘ゲーム的に見ると7点ライフの超高速対戦と見えますが、実際にプレイして見ると1ラウンドで2マス進められることもあれば、1マスも進まないこともあり7マスというバランスが非常によく感じました。

特に、7マスという少ない数値が1マスの価値を最大限に高め、勝っても負けても、盤面上を見る限りでは一方的な試合というのは殆どあり得ないように思えます。そして実際に、ほとんどの試合が僅差の接戦と感じられるのはこの7マスという設定が絶妙だからではないでしょうか?

これらのゲーム基本構造がバランスよく組み合わさっていることで、AltereDの各1戦には「起承転結」の流れが本当によく再現されていると思いました。

ゲームが3マナスタートということで、起の部分が大幅に短縮されます。ただし、他のゲームで見る5〜6点のマナまでたどり着いた時に使えるようになる序盤とは違う盛り上がり感は完全再現。

そして、AltereDではお互いマナが溜まってくることもあり最後の1歩がしっかりと計画して行いとたどり着けないということも多々あります。映画や本で言うところのまさに結ことクライマックス。将棋などなら、最後の詰みの1手の難しさ。

AltereDの体感プレイ時間は他のゲームの倍に匹敵すると行っても過言ではないかもしれません。

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