【Sorcery TCG】ファーストインプレッション | 2.5次元の可能性

FABで久々にTCG熱が完全復活した筆者が気になっているTCGがもう一つ。筆者が残念ながらキックスターターが終わった後にその存在に気付いたので、初版のオーダーはできていないのですが、オンラインのβテストに参加し始めました。現在4戦ほどしかプレイしていない状態でのファーストインプレッションです。

ソーサーリーTCGって?

https://www.sorcerytcg.com

ニュージーランド発の物理トレーディングカードゲームで、2022年3月にキックスターターでクラウドファンドを募ったところ新規会社の完全新規IPなのになんと、ニュージーランドドルで$5,784,804。日本円にして5億円以上という脅威の額を集めました。この数字は現在のところキックスターターでTCGとしては歴代一位です。ちなみに二位は筆者がデジタルTCGをプレイするきっかけになり初めてのキックスターターバッカーとなったHEX TCGでした。

ソーサリーTCGのキックスターターは既に終了していて、レイトバッカーはなく初版はキックスターター以外では手に入らないとされています。ただ、今後他のTCGでアンリミテッドや再版にあたるバージョンが発売される予定です。

当初は2022年9月にバッカーの手元に届く予定でしたが、未だにクローズドβテストの段階なので年内に初版がバッカーの手元に届く可能性は極薄だと思われます。ちなみに筆者はゲームの存在を知ったのはキックスターター終了以降なのでバッカーになれていません。

ゲームの特徴

TCGは既に数え切れないほど存在していますが、ソーサリーTCGは他のTCGと比較して何が違うのでしょうか?個人の見解としては以下の3点が最大の特徴だと思います。

  1. 手書きのアート
  2. カジュアル・キッチンテーブル型TCG
  3. 盤面型TCG

手書きのアート

TCGの醍醐味の一つはカードコレクションですが、TCGの王道マジックだとカードコレクションの遥か上を行くカードに使われたオリジナルのアート収集家達もいるそうです。ソーサリーTCGでは全てのカードのアートを実際にアーティストに描いてもらいそれをスキャンしてデジタル化すると手法をとっていて全てのカードに原本が1枚ずつ存在します。

アート収集家の興味を惹くためもあるかもしれませんが、一般プレイヤーにとってはデジタルとは違うアートスタイルが全てのカードで見られるということになります。実際他のカードゲームだと、カードの端から端までのアートは基本的にアート拡張版などの特別デザインカードに限定されてますがソーサリーでは全てのカードがこのデザインを使用しています。アートを売りにしている証拠ですね。

Yokai Kappas

ただし、アートの趣味は好みが分かれれるので個人的にはデジタルアートに抵抗もなく、ソーサリーTCGのアートの中には好みではないものもあります。

左のカードは、カッパっていうよりもなんかニンジャタートルズに見えてしまって…

キッチンテーブル型ゲーム

欧米ではキッチンテーブルゲームというと、その名の通り自宅のキッチンついているカウンターテーブルでカジュアルに友人や家族と遊ぶボードゲームを指します。これはフレッシュアンドブラッドTCG(FAB)とは対極的な考えで、FABなど賞金や賞品を競う大会を目的に設計されたTCGはカードのバランスとルールの明確さが絶対必須になっていてます。これに対して、キッチンテーブル型ゲームは完全なバランスよりも記憶に残る瞬間が及ぼす「あ〜おもしろかっった」「また、やろう」と思われることがが重要になります。今は将棋よりも人生ゲームをしようという感じですね。

このため競技用TCGでは平均的に3〜4ヶ月毎に新しいセットが発売されていますが、ソーサリーは年に1度程度を予定しているそうです。

2.5次元盤面型TCG

カードを配置できるマスが決まっている盤面型TCGの長所は配置を使った陣形による戦略が生まれるところです。例えば、単純に横一列に配置できる盤面だったり前衛と後衛の二つにゾーン分けしたゲームだと「隣(同じゾーン)にあるカードに+1の攻撃を付加する。」「正面の相手クリーチャーは動けなくなる」などといったゲーム構造ですね。

ただこれらのシステムを使用したゲームは多く場合、場に同時に出せるカードの制限が設けられていて、よく言え場の複雑化を防ぐ、悪く言えばゲームが全体として簡易化されてしまうと意見が分かれるかもしれません。例としては遊戯王やデジタルカードゲームだとSolforgeなどです。

ソーサーリーでは4×5の計20マスを使ったゲーム設計になっています。基本的にプレイヤーはサイトカードと呼ばれる土地のカードを空き地に配置しながら自軍の陣地を増やしつつ、それぞれの土地から生まれるマナをして各サイトにミニオンと呼ばれるクリーチャーや、プレイヤーの分身となるアバターを移動させたり、魔法や道具なども使用しつつ互いのアバターを倒す1 vs. 1のゲームです。

縦と横の2次元に広がるフィールドは、他のゲームでもお馴染みの「飛行」を持ったミニオンや遠距離攻撃、広範囲攻撃などカードゲームというよりミニチュアを使った戦略型またはアドベンチャーボードゲームを彷彿さられます。さらにカードゲームとしては異端のサーフェス(地上)とサブサーフェス(地下または水中)という2.5次元的な広がりもあります。そして、そーさりーTCGでは上記で触れたマスによる制限・簡易化はなく、各マスに置けるミニオンやアイテムの数は無制限になっています。

基本プレイ方法

ここでは基本プレイルールをもう少し深く掘り下げてみていきます。

勝利方法

基本はTCGの王道となる、互いの分身となるアバターの体力を先に0にした方が勝ちです。フレッシュアンドブラッドTCGや他のTCGでも頻繁にみられるプレイヤーカードシステムを採用しているので、それぞれのアバターは特殊な能力を要しています。

例えば水のアバターはタップすことで水面続きの自軍の水サイトに隣接するサイトに移動してそのサイトを水フィールドにできるというもの。下のプレイ感想で詳しく書きますが初戦では筆者にとってこの能力がゲーム勝利の鍵となりました。

また火のアバターを使って試合した時も同様にアバターの能力を考慮しながら戦略を立てた結果勝利につながり、アバター能力は飾りではない印象を受けました。

王道なルールですが、ソーサリーでは2点ほど興味深い要素が加えられています。

一つ目は「デスドア」と呼ばれる瀕死状態をゲーム構造として取り込んでいるところです。このルールは相手のアバターを0点の体力にした時点ではゲームは終わらず、そのターン中はそのアバターはそれ以上の攻撃は一切受けつない状態になり、ターン以降もアバターの体力は回復することができなくなります。そして勝利するにはこの状態からもう1点の直接ダメージを与えることが必要になります。つまり、どんなプレイヤーでも最低1ターンは負ける前に何かをするチャンスが与えられるというものです。

もう一つの興味深いと感じたゲーム構造は、相手の陣地を攻撃の対象にできるということです。相手のサイトを攻撃した場合そのダメージは間接的ダメージとして相手のアバターに加えられます。間接的なダメージというのは瀕死状態になったアバターはサイトを攻撃しても倒すことはできないというルールに関連しています。つまり、自分の陣をただ無意味に広げ続けると、相手からの攻撃を受けやすくなってしまうとリスクが伴うシステムになっています。

リソースシステム

Rustic Village

ソーサリーで使用されているのはマジックなどで見られる専用カードを使用したリソースシステムです。

基本としては既にサイトが配置されてなく、自軍のサイトと隣接するサイトに各ターン1枚のサイトを配置することが可能です。そして、各自軍のサイトは各ターンの初めに得られるマナ数となっています。また基本的に、自軍のミニオンの召喚は自軍のサイトでのみ可能です。

専用カードを使ったリソースシステムはそれ自体はゲームデザインスペースに繋がっているので良いのですが、新規のTCGは必ずこのシステムの発祥元であるマジックザギャリングの欠点「土地事故」に何らかの対処が必要になります。

土地事故とは、運のせいでサイトカードばかりを手札に引きすぎたり逆に必要な分のサイトが配置出来ずに何のカードもプレイできずに、結果として運のせいでゲームが全くプレイできない状況が続くことを表しています。

ソーサリーTCGは土地事故の軽減・回避に2点のゲーム構造を使用しています。

1つ目は、個人的はHEX TCGで初めて見た「スレッシュホールドシステム」の使用です。これは土地事故の種類の一つ「色事故」を防ぐのに役立ちます。具体的には、例えばマジックの場合だと赤マナコスト2点のカードを2枚プレイするには合計4点のマナでそれぞれ全て赤マナが必要となります。しかし、スレッシュホールドシステムの場合は、色はしきい値なのでそれ自体は消費されず条件さえ満たしていればいい扱いになっています。つまり、既に2ヶ所の火のサイトがあればスレッシュホールドは満たされていて、それぞれ2点=計4点のマナ自体は色は関係なくプレイできることになります。

ただしこのシステムでは手札にサイトが集まりすぎたり逆にサイトが全く引けない「土地事故」は防げません。そこで2つ目の対処法としてソーサリーが使用しているのは、サイトとその他のカード(スペルカード)を別々の山札に分けて、自分の各ターンの最初にカードを1枚引くときプレイヤーは任意でどちらのデッキから引くか選ぶことができるシステムです。最も明白な解決法ですね。

ただし、このデッキを分ける方法に関してはフレッシュアンドブラッドの開発者であるホワイト氏はこのシステムの短所として毎ターンマナは確実に増えいくので、勝率を上げることを第1に考えた場合はとにかく各ターンコスパの良いカードを使うデッキが必然と強くなり結果としてデッキ間でのバリエーションの減少につながることを懸念していました。

筆者は実際に3試合・構築済デッキでプレイしただけなので具体的なことに関しては言えませんが、ソーサーリーTCGでは各カードのデザインさえうまくできていれば、この欠点が当てはまらないのではないかと思われます。その理由としてはまず1つ目はサイトの配置場所と配置するタイミングも戦略的に重要な上に、無意味に陣地を広げていくことはそれ自体がリスクにつながるので、サイトのプレイ自体を戦略的に行わなくてはいけないという点。もう1点は、カジュアルが基本のゲームというところです。これは何を置いても勝利するが目的ではなく、どの様に勝利するか「ゲームを楽しむ」が根本なので開発者の意向としてはコンボなど記憶に残る瞬間を生み出すようにゲームはデザインされいるのではないかと思います。つまり、友達同士で遊ぶときに勝率重視のガチデッキを組み立てて対戦するプレイヤー層が中心ではないということですね。だからマナで縛られてお互い小型のミニオンで小競り合いをするよりも、強力なカードを出し合ってゲームをした方が盛り上がりやすいということですね。

ちなみにソーサリーでは4種類の属性(火・水・風・地)が存在しています。それぞれの属性の名前を持ったアバターも存在していますが、ソーサリーではマジックと同様でアバター自体には属性はなく、アバターの選択に関係なく複数の属性を混ぜたデッキの作成が可能です。

アバターカード

既に触れていますが、プレイヤーの分身となるアバターカードについてもう少し書きます。ソーサリーのアバターは単純に互いの攻撃対象で個々の特殊能力を1つずつ保持しているというだけではありません。実際のゲーム進行に各ターン深く関わっています。

基本的に各ターンでアバターができることは以下の5種類です。

  1. サイトをプレイ
  2. サイトを引く
  3. 特殊能力使用
  4. 移動・攻撃
  5. 魔法使用

サイトを配置するのには、基本的にアバターをタップ必要がります。また、タップしてサイトを1枚引くことも可能です。つまり、この能力を使用すれば自分の各ターンの初めに手札にカードを引くのとは別に1枚サイトを引くことができるということです。またアバター自体がミニオンと同様にユニット扱いなので、攻撃や防衛に参加できます。

そして、ソーサリーでは魔法カードを使用できるのは「スペルキャスター」を持つユニットに限られいてアバターは全員スペルキャスターなので魔法カードの発動拠点として使えます。

ミニオン

ミニオンはソーサリーにおける他のゲームでのクリーチャーやモンスターにあたります。ミニオンの配置はスレッシュホールドの条件を満たしていて、必要なマナコスト支払えば基本的に自軍の陣地マスならどこにでも召喚できます。

個々のカードが独自の能力を持っているのはもちろんですが、斜め移動が可能なミニオンだったり、海中や地面に潜って相手から攻撃を回避したり、陣地がまだ設定されていないVOID(空所)に特別召喚できるミニオンだったりと2.5次元の盤面をフルに活用している能力が他のTCGでは体験できない戦略性を生み出しています。

また、ゲームのルールとしてはミニオンは直接の攻撃対象として指定できますが防衛側としてもタップされていないミニオンなら隣接するサイトから防衛に参加することができたりするのでこの点からもミニオンの配置が戦略的に重要になります。

他のゲームと比べると一瞬戸惑ったのが、ソーサリーだとミニオンの攻撃力と体力は同じに設定されいます。これはカードが増えていくと今後ミニオンのバリエーションに影響するのでは?と勝手に思いましたが、直接互いのミニオンを攻撃できてそれぞれのダメージはターン終了時まで継続されるので複数の数字があると必要以上に複雑になってしまうのを省いているではないかと思われます。

そして何よりも、既にテキストを使用して攻撃力と体力に差をつけいるもの存在するので今後必要ならばキーワードなどでいくらでも変えられると知りました。

ソーサリーの全てのカードにはUnique, Elite, ExceptionalとOrdinaryの4段階のレア度が設定されていてそれぞれ1枚から4枚の順でデッキに含めるカードの枚数制限が決まっています。つまり枚数限定を使ったゲームバランスを使用しています。

また、ミニオンの種類によっては大型サイズもあり1マスではなく2マスや4マス同時に存在するものもあります。

この場合広範囲攻撃などで複数のマスが対象の場合、各マスのダメージ総合を受けるなどとしっかりとテーマに沿ったデザインになっています。

レリック(遺物)

レリックはアイテム、建物などのカードで、基本的には無属性でサイトに設置したり、ミニオンに持たせたりなどできます。

左のカードだと4ターン後(相手のターンも含む)に爆発するカードで中心点では20点、隣接マスで8点とロマンを感じさせるカードです。

モニュメントサブタイプは一度設置されたサイトから動かせなくなっています。例えば、横のカードが設置されると、どのプレイヤーでもこの記念碑のあるマスにいる自軍のミニオンをタップして、周りにいる全ての自軍のミニオンをターン終了時にアンタップすることができます。

魔法

カードゲームではお馴染みの1回限定の即発動カードです。多くの魔法は方向や範囲が決まっていて、個人的に面白いと思ったのはマジックカードの使用拠点はスペルキャスターのみとなっているところです。

アバターを使って発動は基本ですが、スペルキャスター持ちのミニオンを使用した魔法中心のデッキなども存在することでしょう。

プレイ感想

ここからは、ここ2日間でベータ0.6版のカードとルールでTTSを使用した4戦のプレイ感想を書きます。これ以前は筆者はソーサリーTCGのプレイ経験は一切なくルールブックも先週初めて目を通しました。筆者は4戦全て4つの公式構築デッキの一つを使用しています。

初戦はなんとなく色的にアグロでプレイしやすいとデッキ内容も見ずに「火」デッキを選択。対戦相手は「地」デッキを選択。お互い初めてのプレイでルールブックと照らし合わせながら、さらにはTTSの使い方も学びながらノロノロプレイ。1時間ぐらいプレイしていましたが、とにかくその場その場で手札に来たカードをなるべくマナの無駄なく使うことを意識しながらプレイ。勝利は、ほぼ確実というところで相手の回線が突然切れて試合終了前にゲーム終了。

2回戦目は、対戦相手にとっては初めてのゲーム。

初戦と違うデッキを使ってみることにしたので水デッキを使用。相手は風デッキ。

数ターンの間、こちらは高い攻撃力カードを相手のサイトやアバターすぐ横に設置できていたものの、どのカードも水フィールド限定で自軍のマスからあと一歩が踏み出せずに攻撃カードが手札に来るのを待ち続けていました。

しかし、途中で気づいたのがアバターの能力。タップして、自軍の水続きのマスに隣接するマスに一気に移動。そしてそのマスをアバターがいる間は水フィールドに!

これに気づいた後はそこから2ターンほどで勝利。

3回戦目は、1回戦目で最後まで試合できなかっただけではなくアバターの特殊能力すら気づいていなかったため、再び火のデッキを使用。対戦相手は、これまで4戦ほど経験したという先輩プレイヤー。相手は独自で構築したデッキを使用。

相性の問題か、運が良かったのかサイトのプレイ時に発動する能力の「周辺サイト全てのミニオンに1点のダメージを与える」で相手のミニオンを序盤完全にシャットダウン。

火のアバターの能力は火のサイトをファイヤーボールスペルとして使用可能というもの。

というわけで、このデッキは基本はミニオンよりもマジック攻撃を中心としているはずと判断してミニオンよりもサイトを中心に手札を補強しながらプレイ。

気づいてみればワンサイドゲームでこっちはフルヘルスの20点。相手は0点。

ただここで初めて、デスドアルールの解釈が間違っていたことに気付かされ、最後の1撃を加えられるの次ターン以降と計算ミス。

自軍のミニオンが場にいない上に、こちらのアバターと的アバターに距離も。さらにファイヤーボールは間に敵のミニオンがいたら届かないというルール解釈(*)を聞かされ最後の直接ダメージを加えるのに一苦労。

*後で別のより経験のあるプレイヤーに聞いたところ、どうやら普通にファイヤーボールは使えた模様。

お互いのルールの間違った解釈が全てこちらの最後の一手にとって悪い方に働き、追い回し続けて結局は自分のアバターも含む広範囲攻撃を使用。終わってみれば数字だけだと5対0と思ったより僅差の結果に?

この時思ったのが、最後の一撃が詰将棋のように感じました。また対戦相手によれば、前の試合でも彼のデッキは早い段階で瀕死状態に持ち込まれたもののそこからかなり粘って最終的には僅差で負けたとのこと。ゲーム的にはこの場合もし彼のデッキで勝利したり、こちらも瀕死近くまで追い込まれればお互いかなりアドレナリン分泌の記憶に残るゲームになるのではないかと思えました。

最後は、これまで使ったことがないデッキということで風デッキを選択。今回は初めて試合前にデッキに目を通しておきました。対戦相手は今回のベータ以前からの経験者で新人プレイヤーに教えながらプレイをしているベテランプレイヤーでした。こちらが構築済みを使用ということで相手も構築済みの水デッキを選択。

アバターの能力は自分のターンに1度、周りのマスにアバター自身と1体の仲間を移動できるというもの。デッキ内容を見ると遠距離攻撃や複数マス同時に動ける能力持ちが多かったので基本は遠距離を使ったプレイとなんとなく判断。ただはっきりとした戦略は浮かびませんでした。

実際にプレイをしていて序盤からいい働きをしてくれたのが右のカード。空所歩きの能力はサイトが設置されていない空所マスを移動できるのですが、自分のターン開始時にランダムで移動するため相手のサイトやアバターを攻撃できる場所に移動できるか結構個人的には盛り上がりました。

カジュアルゲームだから楽しめる運の要素だとおもます。

今回の試合は自分の都合でゲーム時間が限られていたので最後の方は戦略よりも早く終わらせるのを重視に考えを変更。

そこで手札に最初からあったこのロマンあふれる1枚をフフィールドのほぼど真ん中に設置。

4ターン後に爆発して盤上ほぼ全てにダメージを与えるカードです。

ところが相手の盤面一蹴カードによってすぐさま海底に沈められ会えなく男のロマンは夢と消えました。

しかし、ここで役に立ったのが、手札のスペルカードを2マナで3点ダメージ変えられる強力カード。

これまでプレイした感想はカードゲームだけど、アドベンチャーボードゲーム・アリーナザコンテストやその元となっているD&DとTCGのハイブリット的に思えました。とにかく盤面を使った要素が通常のカードゲームとしてはない新たな戦略性を感じさせてくれます。

ただ不安点もあります。当初の予定なら2022年9月は既にキックスターターの手元に初版のカードが届いているはずでした。しかし、現在ベータ版のルールブックやカードのテキストを見るとかなり曖昧で、アドベンチャーボードゲームにしても他のTCGにしてもしっかりとルールに沿ってプレイしたいと思っている筆者にとっては大きな減点要素になっています。

ただキックスターターよりも遅れというのは当たり前のことなのでそのこと自体よりも、この段階でルールブックがここまで曖昧というところに不安を覚えました。ルールブックをしっかりと書けない開発者チームに果たしてカードゲームとしてのバランス調整がうまくできるのだろうか?

ソーサリーの売りはカジュアル重視でなので完璧なバランスを求めるべきではなく、開発者もこれを求めないことで競技対応のTCGにはない神がかりの瞬間を生み出せると思うのですが、あまりにバランスが取れていないカードやデッキがあった場合は例えカジュアルでもカードゲームとしては致命的だと筆者には思えてしまいます。

もちろんベータテストはこんバランスを調べる意図もあるのですが、この辺りは筆者の勝手な根拠のない不安に終わってくれることを祈っています。