需要があるかは全く不明ですが、戦略性の高い、スキル重視のTCG好きにはプレイしてみる価値は絶対あると思えるゲームなのでとりえず簡単な日本語版スターターガイドです。公式も現在は、クイックスターターガイドしかないので情報源は限られていますがゲームに少しでも興味を持たれた方の役に立てばと思います。
前置き
Drakerion TCGについての大まかな概要は第一印象記事を参照にしてください。
Drakerionと出会って1週間が過ぎました。オンライン対面戦は6戦。現在公開されているスターターデッキ4つをそれぞれ最低1度はプレイした状態です。
ここまでの感想は一言で言うと、「対戦相手が欲しい!」です。
英語での対戦プレイヤーを見つけるのが困難で、プレイしたいと思っても相手が見つからない方が多い状況です。また、良い意味でも悪い意味でも頭を使うゲームなので、慣れていない部分もありますが対戦相手との雑談を抜いても普通に1戦1時間はかかっているため1試合終わった後は2戦目に突入する時間も、気力も残っていません。だからせっかく対戦相手を見つけても1回ずつとなってしまっています。
また率直な感想だと、このゲームが日本語化される可能性、FaBのように英語でも日本人TCGコミュニティに受け入れられる日が来るのか?など以前に、このゲーム自体が何年も残り続けるかも不明です。個人的にはおそらく十年ぐらい前になると思いますが、スペインの開発グループのTCGに興味を惹かれましたが、結局そのプロジェクトはKickstarterに成功できずにスペインだけでの発売となってしまいました。
将来性の保証・可能性は一切無視して、個人的なゲームプレイの現状の感想は「分かりやすいルール、高い戦略性、無限の可能性、そしてスキル重視」のTCG好きには1度は経験して欲しいゲームです。1度と言っても実際は1〜3回プレイして欲しいです。まず最初は、ルールを学ぶために。2〜3度目からはTCG経験者ならすぐに自分の戦略・戦術が思いつくと思うのでそれを実際に体現しようとしてみると全く違う次元でゲームを楽しめると思います。筆者にとってこのゲームが面白くなってきたのは戦術を意識し始めてからでした。
ゲーム概要
ゲームの基本は、互い小隊同士を戦わせるキャラクター同士の対戦ゲームです。
ゲーム開発者が世界大会準優勝者という「ゲームオブスローンズLCG」と似たゲームシステムのようですが、このゲーム自体は既に廃盤になっていて、筆者自身はプレイしたことがありません。
基本的な勝利条件は2種類あります。
- 相手の盤面のキャラを一掃
- ポイントを20点以上集める
筆者がこれまでプレイしたゲーム、対戦相手がプレイしてきたゲームの全て「盤面一掃」が勝利条件の試合になっているので、ゲームの基本勝利条件は①と断言できると思います。
名声ポイントシステムは興味深い構造なので、今後スターターデッキ以外のカードが追加された時や将来のエキスペンションで活躍する特殊な勝利条件と言えるでしょう。
Vs. マジック
盤面のキャラ中心の対戦と言うと、個人的には王道のマジックを最初に思い出すのですがマジックとの差はキャラの後ろに自分や自分の分身となるヒーローなどが存在しません。
これにより、ゲームは盤面上に設置してあるお互いのキャラを直接攻撃対象として指定できます。また、このゲーム構造から各キャラが受けたダメージはターンが終了してもリセットされません。よって、召喚=勝利/敗北というカードが出る可能性はかなり低いと思われます。
また、キャラ自体が勝利の条件になっているので盤面を一掃するスペルなどもゲームのバランスを完全に破壊すると思われるので登場はありえないと思われます。
初期設定
❶カード配置
バナーカード、シティーカード、メインデッキ、Maneuver(機動)山札をそれぞれのゾーンに配置します。
バナーカードの左上隅のシンボルは自分のデッキの所属キングダム・色・ファクションを表しています。
自分のデッキに含めるカードはバナーで指定された所属と無所属のカードのみとなります。
開発者によれば、最初のセット(コアセット)には各キングダムに2種類の特性・サブタイプがありそれぞれ独特のゲームメカニクスを持っているとのこと。つまり、今後の拡張ではサブタイプを使った意図的なプレイスタイル分類を予定していると筆者は解釈しました。
Vs. マジック
5種類のキングダムが存在するので、マジックの5色と同じように思えるかもしれませんが色マナの概念がこのゲームにはないため、バナーでデッキに含めるカードが限定されます。よって、マジックというよりもFaBやたのカードプール制限付きゲームとなります。
現在ローティションを予定していないとのことなので、カードプールが増えていけば各色の個性を保ちながら色々なデッキ構築が可能になると思われますが、最初のうちは無所属と各所属が同じ枚数で分けられると考えると最初の300枚カードセットでは300/6で、各キングダム50枚。無所属と合わせて100枚のカードプールからのデッキ構築となります。
Vs. FaB
個人的には、カードプール縛りはFaBまで成功例を見たことがなかったのですが、ローテイションなしと定期的な新セット販売でメタ環境を新鮮に保ち続けることが可能と学びました。
具体的にFaBと比較すると、FaBの最初のセットは合計226枚。4クラスによるカードプール4等分と一般カードを合わせた環境でした。ここにFaBの同じカードは3枚までとDrakerionの4枚までの差を加えるとFaBの初期セットよりも多くのバリエーションのデッキの構築が可能という計算になります。
シティーカードもバナーと同様にゲーム開始時から設置されているカードでそれぞれデッキのサブタイプのテーマに沿った効果をもっています。
Vs. FaB
FaBの装備品や武器のように最初から場に設置され、重要なところでゲーム戦略に貢献するカードという意味合いではCityカードはまさに同じ感覚と思いました。上のカードは自軍のキャラが倒されるたびにカウンターを置いて、6点溜まると1点ダメージを好きな対象相手に与えられるのですがこの防御不可能の1点の価値は大きく戦略に大きく貢献します。
しかし、何よりもチューニックカウンターを置きわせるのと同様にこのカウンターも置き忘れる筆者には二つのゲームが一見すると全く違う構造なのに繋がりを強く感じてしまいました!
❷最初のターンの先手を決定
このゲームの特徴の一つとして同時にターンを進行するというルールがありますが、同時と言っても早いもの順というわけではなく、交互にというルールとなるためまず一番最初にどちらから始めるかという順番決めが必要となります。
最初のターンの、先手と後手を決定するのにはバナーの右上隅に雷マークの下に記載されたイニシアチブ値を相手と比較します。このカードの場合は9ですね。
数値の高いプレイヤーが先手となります。もし、イニシアチブが同じならランダムで決めます。
以降のターンでは、先手・後手の決定には戦略を要して決めるためイニシアチブによる決定はは最初のターンのみとなります。
❸キャラクター配置
バナーのテキストには、ゲーム開始時に場に配置した状態から開始するキャラクター名と数が書かれています。
このバナーの例だと3体のキャラクターを配置した状態からゲーム開始となります。これらのカードはメインデッキ60枚の1枚として数えられます。
各カードは前衛・接近戦(Melee line)か後方支援(Support line)に配置します。
配置の順番は先手プレイヤーがまず全て配置。それを見てから後手のプレイヤーが配置となります。ルールとしては、前衛が空になるとその瞬間に後方支援カードが前衛になるというものがあるため全てのカードを後方支援に設置する以外は自由です。
例えば、今回のバナー指定による3枚のカードだと2^3-1=7種類の組み合わせがあります。
このターンもしあなたが1枚以上のカードを捨てたなら、これはこのターン+1長距離攻撃を持つ。
Treacherous Arrowはゲームでは貴重な長距離攻撃を条件を満たした状態で得るので後方支援設置はもちろん、アグロアーキタイプのデッキとしては前衛において2~4点分のダメージに使用するというのも十分戦略的にありかと思っています。
❹ドロー
まずメインデッキをシャッフル。続いて各プレイヤーは6枚のカードをドロー。
マリガン
各プレイヤーは1度だけマリガンが可能です。ゲームルールは好きな枚数手札から選び、選んだカードをデッキの一番下に戻しそのあと戻した枚数分手札に引きます。最後にデッキをシャフル。
このマリガン方式は運による最悪の手札を回避する絶妙なシステムです。手札が減らないのでマリガンリスクはなし。しかも、戻したカード自体を手札に引くことはないためこの面でもプレイヤーの意図にあった手札入れ替えになっています。
ターン
ゲームのターンフェーズは3フェーズに分かれています。
Maneuver(機動)フェーズ
Maneuverフェーズでは、リソースカードをプレイすることになります。
Drakerionの面白さの一つがこの機動フェーズにあります。基本的にはマジックなどにおける土地カードなどのリソースカードをプレイするタイミングを限定しているフェーズなのですが、特徴的な面が2点あります。
1つ目はまManeuverカードはメインデッキとは別の山札になっていて、プレイヤーは好きな1枚を選択することができます。つまり、この時点での運の要素は0です。
2つ目の特徴は、全てのカードがテキスト効果を持っていて、ターン開始時に引ける手札の枚数、実際にカードのコストを支払うゴールドの獲得数なども変数化されていて戦略の非常に重要な1手となっています。
右上のコインシンボルの下に書かれている数値がこのManeuverカード使用で得られるゴールド数。下のカードシンボル数値が手札に引けるカード枚数です。カードのプレイ・アビリティの使用などは基本ゴールドで支払います。
ルールとしては、Maneuver山札は8枚。メインデッキカードと同様にバナーの所属または無所属カードのみ含むことができ、同じManeuverは入れられません。もしManeuver札が空になった場合は次にManeuverカードを引く時に1枚選び、残りをManeuver札に戻すことになります。
Maneuver 3 状態
オフィシャルDiscordでも、わかりにくいと点となっていてほぼ必ずプレイヤーが間違える要素があります。もちろん、筆者もバッチリ最初は間違えました。それがManeuverカードの状態です。
深く考えなければ、すんなり分かるはずです。まず、筆者はManeuverカードは3状態のうち必ずどれか一つに当てはまるという考え方から始めます。
- Unveiled(公開)状態
Maneuverフェーズで公開した、現ターン発動中のカードです。 - Maneuver Pile(山札)状態
単純にまだ未使用のManeuverカード。
- Covered(カバー)状態
わかりにくいのがこの状態です。要は単純に使用済みのManeueverが公開状態のカードの下におかれるため、覆われた・カバー状態となったカードを表します。
この3状態の分類は実際のゲームメカニクスが使用しているので重要かつ興味深いものと筆者は感じています。
配備: 相手キャラクターを指定; 対象を行動済みにする、またはあなたの各カバーと公開状態のTactics Maneuver1枚につき1点分のダメージを与える(最大4点まで)
あなたの各カバー状態のManeuverにつき、このカードは+1{a}と+1{r}または、相手が二人以上なら+2{a}と+2{r}を得る。
配備: あなたのデッキまたは墓地からExhumationイベントを探す。それをプレイして、可能ならこのカードを対象にする。
上の2枚を比較するとわかりますが、Force Truceはカバーと公開状態の合計のManeuverカードを数えているのに対して、Nekrosはカバーされているカードのみ対象という差があります。
ちなみに、Nekrosのカードデザインに個人的には奥ぶかさを感じました。Nekrosを搭載したスターターデッキはこのカードの能力でもわかると思いますが、コントロールアーキタイプでゲームが長引くほどその実力を発揮します。
しかし、これは際限なく強化され続けるわけではなくて9ターン目に入った時点で、Maneuver山札が空になるなるのでカバーされていたカードが全て山札に戻りその強化を失います。よって状況によってはこちらからの攻撃をを待って強化を失った時点で倒すということが戦略的に選択肢として加わるところが、細部を考えてデザインしているなと感じました。
❶Maneuverを選択
まずはそれぞれ、Maneuver山札の中から相手に見せずに好きな1枚を選択します。
❷Maneuverを公開
お互いにManeuverの選択が終わったら、両プレイヤー一斉にManeuverを公開します。このカードはUnveiled Maneuverのゾーンに表向きで一番上に設置ます。
❸ゴールドとドロー
各プレイヤー同時にそれぞれのManeuverカードに指定された枚数のカードドローと、ゴールドを獲得します。
多くのManeuverカードにはDeployment(配置)時に効果が発動するテキストが書かれているのですが、中にはThe South is ShutのようにDeployment(配置)トリガーが記載されていないテキスト効果もあります。この場合の効果はカード公開時点で発動します。
よって、相手がThe South Is Shutを選んでいた場合はこのステップで獲得できるゴールドとドロー枚数が減ります。
❹Deployment効果発動
Deploymentは配置・配備トリガーのキーワードなっていて、この時点でDeploymetと書かれたキーワード以降のテキスト効果が発動します。
ただし、このステップでは先手と後手の順番が加わります。先手のDeployment効果がまず発動。そのあと後手の効果となります。これは非常に重要で戦略的にゲームの勝敗を分ける瞬間になりえます。
例えば、単純な例だと相手のフィールド上に残り3ライフのキャラ一体が残っていたとします。こちらは3点ダメージを与えられるManeuverを公開。相手は、This world is already oursを公開。Prime Legionカードを捨てる効果の中には捨てたカードをそのまま場に設置できるものもあります。
もし、自分が先手なら3点ダメージを相手のキャラに与えてゲーム終了。相手が先手なら、新たなキャラを1体召喚で、ゲーム続行となります。よって、相手はこの状況で先手を譲らないように前のターン終盤・先手権を確実に得るために必要なSound of the Retreat(撤退命令)を相手より先に出すかどうかという判断が重要になります。Sound of the Retreatについてはもう少し詳しくアクションフェーズで説明します。
ちなみに、The South is Shutは最近では多くの競技系TCGではタブーとされるリソース破壊・妨害カードです。中には、相手のManeuverのテキスト効果を完全に打ち消すカードもあります。上の例で、後手に回ってしまった場合はManeuverフェーズの攻撃を乗り切るためには打ち消しカードを使用する選択になりますが、そのあと相手の攻撃から始まるのでそこを乗り切れるかは不明です…
この辺りの駆け引きが本当に奥深くて、相手が出してくるManeuverも考えながらプレイしなくてはいけなく好きなカードを選べるのに、相手の選択をも予想しながらプレイするので遊ぶたびにどれをどのタイミングで出すかが変わります。思いっきり深読みして出してみてたら全然違っていて、気にせず最初の予定通り出しておけば〜と思うことも多々です。
中には、ポーカーのような要素と例えているプレイヤーも数名いました。要は、ブラフの要素が強く出ているということでしょうか?
アクションフェーズ
Drakerionのメインフェーズとなります。このゲームは同時ターン進行のシステムを採用しています。このゲームにおける同時ターン進行というのは、単純に各プレイヤーは1つのアクションを行い、次に相手のプレイヤーと交互にアクションを行うシステムです。
プレイヤーが取れるアクションの種類としては、以下の5つがあります。
- Actionタイプのカードを使用、キャラを配置
- Actionタイプのアビリティを発動
- アタック宣言
- パス
- ’Sound the Retreat’を発動
一つずつ見てきましょう。
Actionタイプのカード使用・キャラの配置
普通にカードのコストを払ってプレイすることです。キャラクターカードを場に召喚したり、イベントカードを使用して記載された効果を発動させたりします。この時、Combat効果のカードは使用できません。これはCombat専用なので。
ただし、Drakerionはコアセットから攻めているなと思う点なのですが、一枚のカードに複数の用途を持つものが頻繁にみられるので、The Brothers’s ChoiceのようにActionとCombat両方が書かれていればAction効果の方としては使用ができます。
Vs. マジック
Drakerionでは、召喚酔いはありませんが交互にアクションを行うというルールにより召喚後、必ず相手がアクションを使用する機会があります。
Actionタイプのアビリティを発動
これも他のTCG経験者なら馴染み深い、盤面に既に設置されているカードに記載されている起動型能力の発動となります。
特殊ルールとして、全てのシティカードに備わっている基本アクション効果で、シティをコミットすることで手札から1枚デッキの一番したにカードを戻し、1枚ドローすることができます。ただし、このルールはカード自体には直接記載されていません。
アタック宣言
自分のキャラを使って対象の相手キャラを攻撃します。この宣言により、戦闘が始まり戦闘用ルールが適応します。これについてはより詳しく下のセクションで書いています。
パス
何もせずに相手にActionを譲る場合に行います。この場合は自分のターンを終了したわけではないので、相手が次に何かのアクションを行ったら自分のアクションの順番が回ってきます。
Sound the Retreat発動
5つめの選択肢はSound the Retreat=撤退命令の発動です。これは、このターンは自分はもう何もしないと宣言することなのですが実際にプレイしてみるとこの重要性がすぐにわかります。
撤退命令を宣言できるのは1人のプレイヤーのみなので先に宣言すればいいのですが、そのメリットとデメリットはなんでしょうか?
メリットは撤退命令を発動したプレイヤーは次のターンの先手権限を得られます。デメリットはコンバットトリックも含めたアクションが残りのこのターン一切使えなくなります。
この辺のゲームデザインも面白くて、普通のパスと撤退命令、先手と最後まで行動を続けるという選択肢が戦術として完全に成り立っています。上の方で説明した勝敗を決める状況ですが、先手をとろうと早すぎる状態で撤退命令を出すと相手に、コンバットトリックなどが一切ないと判断され、予想外の大打撃を受けることになります。逆に、例えこれ以上何もできないにしても、撤退命令を遅らせることで相手に対してのブラフになることも。
戦闘
メインアクションの一つにCombat(コンバット・戦闘)があります。
戦闘の流れは、以下の通りです
❶攻撃宣言
❷コンバットトリック
❸ダメージ解決
❶攻撃宣言
まず、攻撃させる自分のキャラ1体とその攻撃対象となる相手のキャラを宣言します。そして、近接と遠距攻撃の両方選択肢がある場合は、攻撃方法を指定します。
攻撃をさせるキャラクターはコミット(使用済み状態)となります。攻撃側はアタッカー、攻撃対象はディフェンダーと呼ばれます。
攻撃方法には近接攻撃と遠距離攻撃の2種類にあります。それぞれに差があるので見てみましょう。
接近戦
キャラクターの左上に記載されている剣マーク数値が(近接)攻撃力。
その下の数値は反撃力。
そしてハートの数値がライフとなります。
一般的な攻撃はお互いの前衛ラインキャラ同士で行われます。
相手のサポートラインを攻撃、自分のサポートラインから相手の前衛攻撃などには特殊なキーワードや遠距離攻撃が必要となります。
ゲーム構造として1段上に挙げているのが、各キャラクターに攻撃とは別に反撃用の数値があるとことです。アタッカーが接近戦でディフェンダーから受けるダメージは反撃力を使用します。
これにより、相手の攻撃を受けるのに向いているキャラや、逆に相手に攻撃を仕掛けるときに反撃力が少ないので迷いなく攻めるなどという戦術的な思考を巡らせることができます。
遠距離攻撃
キャラの中には、弓矢のシンボルで表された遠距離攻撃を持つキャラがいます。
Morwernだと遠距離攻撃力は3点。近接攻撃力は4点となります。
遠距離攻撃は、最大2レーン分の距離攻撃可能です。つまり、自分のサポートラインから相手の前衛。自分の前衛から相手のサポートライン。さらに、自分の前衛から相手の前衛にも使用可能です。
さらに、遠距離攻撃の特徴として相手の反撃を受けません。これは、前衛同士での距離で遠距離攻撃を使用しても同様で反撃はありません。
個人的にはこの部分のルールが、なんとなく感覚としてしっくり来なかったのですが、開発チームの説明によると前衛・後衛は狭いスペースではなくそれぞれそれなりの距離がある感覚と言っていました。
つまり、前衛からの遠距離攻撃と言っても敵の真正面で弓を引いて攻撃するわけではなく、十数メートル離れた状態からの攻撃という感覚でしょうか。
具体的な例だとMorwern(モルワーン)は近接状態でも特殊な理由がなければ遠距離攻撃の方が相手の反撃を受けないので1点分の攻撃点ロスよりも遥かに価値があります。
また、カードの中には具体的に近接攻撃や遠距離攻撃のみ対象にした効果がありこれらの効果は逆の攻撃には効果がありません。
❷コンバットトリック
ディフェンダー側から交互にCombat(コンバット)キーワードのついたアビリティ、またはカードを使用していきます。
Combat: バナーをコミット; あなたのドワーフ戦闘参加者は+2{a}/+2{r}をこのコンバット中得る。
例えば、ディフェンダーが「鉄は熱いうちに打て」を使用するとその時点で反撃値が+2となります。これに対してアタッカー側がコンバットアクションを使用する順番が与えられます。お互いが続けてパスした時点でコンバットトリックステップが終了します。
インターセプター
Interceptor
Reaction: このカードが捨てられた時、2ゴールド払う; このカードを墓地から戦場に置く。
また、特殊なルールとしてディフェンダー側は、攻撃対象と同じレーンに配置されているInterceptor(妨害)を持つ自軍のキャラを、最初のコンバットアクションとして、コミットすることで相手が指定してきた攻撃対象をそのキャラに変えることがことができます。
名持ちキャラクター
このカードは各Edge Circleアタッチメントにつき+1{h}を最大+3まで得る。
Reaction: このカードが近接攻撃を受けた場合、あなたのバナーをコミットする;このカードをレディする。
カード名に字名 がついているキャラはNamed Character(名持ちキャラ)となります。これらのスペシャルキャラクターは同名のキャラは自軍の場に一度に1枚しか出せません。
手札から同名のカードを捨てることで、コンバットトリックとして+1{a}, +1{r}または+1{s}を与えることができます。
ダブったカードが手札で全く役に立たなくなるということを避ける構造が粋ですね。
❸ダメージ解決
お互いのプレイヤーが続けてコンバットトリック使用をパスした時点で、ダメージ解決となります。
ここで重要なのが近接攻撃の場合は相手の反撃値分のダメージを受けることになります。しかし、遠距離攻撃使用なら近接ライン同士でも反撃を受けません。
ダメージ解決は同時に起こります。
コンバット終了後は、その攻撃を宣言したプレイヤーのアクションが終了したことになり、ディフェンダー側のアクションの番になります。
ターン終了
ターン終了アビリティはこの時点で解決。コミットされたカードをReady(レディ)状態に戻します。
Vs. マジック & FaB
このゲームの基本リソースであるゴールドも、キャラクターが受けたダメージも次のターンにそのまま移行します。このルールにより独自の戦略や、強力なキャラでもいい意味でも悪い意味でも倒されることになります。
その他
アビリティ任意発動
このゲームのアビリティは基本任意発動です。絶対に発動しなくてはいけない場合は、Forcedが記載されています。
Infiltrator(インフィルトレーター・潜入者)
継続アビリティ。相手の前衛にInfiltrator持ちがいなければ、自分の前衛に配置されているInfiltrator持ちキャラは、相手のサポートラインキャラを攻撃できます。
9戦目ぐらいにして初めて、気づいた・気付かされたのですが、潜入者は単純に自分の前衛から相手のサポートラインを攻撃できるだけではなく、もし自軍の前衛に潜入者キャラがいる場合は相手は潜入者を持っていても自軍のサポートラインが攻撃できないという「サポートライン・デフェンス」効果があります。
単純そうなルールで、ゲームの戦略性をまた一つ奥深くしています。
Interceptor(インターセプター・妨害者)
コンバットアビリティ。ディフェンダーコントローラーは、最初のアクションとして相手の近接攻撃に対してディフェンダーキャラと同じラインにいうr自軍のInterceptor持ちキャラをコミットし、代わりのディフェンダー(攻撃対象)になれる。
単純に最初のデフェフェンダー側の最初のコンバットトリックとてしてディフェンダーを入れ替えるというものです。
インターセプターのコミットが必要なのでその分インターセプターの攻撃が分がそのターン失われるというあたりも計算しなくてはいけません。
Unpredictable(アンプリディクタブル・予測不可能)
コンバットアビリティ。Unpredictableを持つカードはコンバット中にプレイしてもよい。このカードは通常通りアクションフェーズでも使用可能。
このキーワードの価値が一瞬理解できませんでしたが、要するに一見すると召喚酔いのないDrakerionですがアクションを使ってキャラを召喚。次に相手がアクションを行うため、通常召喚だと必ず相手にアクションが渡るため実際は「召喚酔い」と同様の効果があります。
しかし、Unpredictableを持つキャラなどを相手が仕掛けてきた攻撃の最中に召喚すると、そのキャラは続く自分のアクションで使用できるため相手はこのキャラに攻撃などを仕掛ける間もない速攻=召喚酔いが本当にない攻撃となります。
最後に一言
このゲームはそのデザイン奥深さからはありえないほど、シンプルで分かりやすいルールなっているのに驚かされました。開発チームがフランス人ということで英語に多少曖昧な点があるようですが、個人的にはそこまで問題にはなりませんでした。
今後もちろん公式ルールやカードテキストのアップデートが来ると思いますが、とりあえずプレイしてみて分からない、分かりにくかったことがあったらTwitterまたはこのページにコメントしてください。このページも今後合わせて、需要に応じてアプデートして行こうと思います。
情報元
- Drakerion Quick Start Rules V.1.1 – Beta
公式のクイックスタートルールガイドです。
関連サイト
- Drakerion Kickstarter
キックスターターキャンペーンページです。 - テーブルトップシミュレーター
英語版のTTS追加パックです。これ自体はもちろん無料ですが、既にSteamとテーブルトップシミュレーター自体所有している必要があります。 - プリント&プレイ
英語とフランス語のみですが、スターターデッキ4種をプリントして遊べます。 - 日本語Discordチャンネル
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