オンライン対人戦記念すべき第10回戦目は、先日追加されたばかりのスターターデッキ最後の1つ、Gil Estel(ギル・エステル)を初使用してみました。今回はその一戦の感想です。
Gil Estel
潜入者
配置:あなたのデッキの上のカード3枚を見る。その中から1枚キャラクターを公開して、それをあなたの手札に加えてもよい。残りのカードはデッキの上に好きな順におく。
つい先日公開され、テーブルトップシミュレーターにも追加されたばかりの5つ目にして、最後のスターターデッキは既にわかっていた魔導士を要するキングダム、ギル・エステルのデッキです。
色は青、魔導士キャラ。完全にマジックの「青」を想像してしまいますね。
[…] through your events, you cast spells, use your characters to manipulate your deck, and control certain actions of your opponent.
イベントカードを使って呪文を唱え、キャラを使ってデッキ操作して、相手の一部のアクションをコントロールする。
キックスターターアップデート#10より
そして公式の説明もまさにその路線。実際に触ってみた感覚としては、思った以上にスペルカードが役に立つ。そして、この世界の魔導士は普通に近接攻撃が強い!です。
アクション: このカードをコミット、あなたのデッキの一番上のカードを捨てる; もしこれがスペル・イベントなら、2ダメージを相手の前衛キャラに与える。そうでなければ、”Energy Dyad”以外の名を持つキャラをレディーする。
まずデッキ特有のメカニクスの一つが、デッキの上に置かれたカードがスペルカードかそれ以外かで発動する効果が変わるカードがあります。どちらも使い方によっては役に立つのですが、今回の初戦ではスペルカードで発動する能力の方が、ゲーム前半は欲しいと思いました。ただ、これはスキルや戦略によって変わると思われます。
もちろんこの効果、運任せではなく実際にデッキの上を並べ替えるサポート能力・効果と組み合わせて使うことが、このデッキをうまく回すコツと直ぐにわかる仕組みのカードがデッキに含まれています。
コンバット: シティーをコミット; 参戦者1体は2点のシールドを得る。
そして、実際のスペルカード効果も意外と興味深いもがありました。まず、マジックシールドのように比較的強力なカード。基準としてはこれまで公開されたスターターデッキカードの中で、シールド1点以上得られるカードはなかったので、この点で防衛に優れたカードと分かります。
コンバット: レディーアタッカー、その攻撃をキャンセル。各最低1回の戦闘アビリティをこの戦闘中に発動した相手は1ゴールド得る。
しかし、ゲーム構造的に見ると今回一番目を惹かれたのは、このゲーム初の、そして今後代表的なカウンターカードとなるであろう1枚・マイナータイムワープです。
相手の攻撃をキャンセルするという効果ですが「マイナー」とついているように一方的にキャンセル側が有利というカードではありません。このカード使い方は、筆者のスキルレベルのせいもありますが、初見よりは遥かに奥深かったです。
奮闘記
対戦相手は、筆者と同様にこれまで10〜15戦程度の対人戦を経験。ただし、公式の大会に参加しているのでより高いスキルレベルでプレイしているようです。
対戦相手が選んだデッキは、Wasteland。現状スターターデッキ最強との噂もあり、来週にはバランス調整が入りその時に色々いじられる可能性があるという噂も。相手が、ウェイストランドを選んだので、こらちはもちろん初挑戦のギル・エステル。
対Morwern
いきなり最初のターンから相手は、字名持ちキャラMorwern(モルウェン)をサポートラインに配置。
配置: 対象キャラを選択; あなたはそれをサポートラインからそのコントローラーの前衛に移動させても良い。対象キャラの潜入者をこのターン終了時まで失わせる。
筆者の中では、このキャラは完全なThreat(脅威)カード扱いです。
特に個人的には苦い思いでも。ゲームを始めたばかり頃、最初の2戦はビギナーズラックで勝利。そのあと、3戦目で相手がこのキャラを使った試合で初敗北。しかも、とにかくこのキャラに苦戦。よって、登場と同時に集中攻撃。ゲーム序盤はいかにモルウェンを倒すかが自分の中での第1ステージでした。
失敗カウンター
そうこうしているうちに、気づいてみればゲーム序盤でお互い場には、5〜6体ぐらいキャラがいるという状況。
しかも、相手のキャラはその多くがこちらの攻撃対象を入れ替える、インターセプター持ち。一見すると大したことないような能力ですが、トドメの1撃をさせないとそのキャラはもう一度攻撃をする機会があるため「表現価値」がグッと上がります。
コンバット: レディーアタッカー、その攻撃をキャンセル。各最低1回の戦闘アビリティをこの戦闘中に発動した相手は1ゴールド得る。
そこで、筆者が閃いたのが手札にあるマイナータイムワープの上手い使い方!
相手がインターセプターを発動してブロックしたところでこのカードを使えば、インターセプターはコミットされてその分相手の攻撃分の表現価値をこのターン削いだことに!これを2度連続使って2体のインターセプターをコミットさせたのですが、元々狙った残り1ライフの敵キャラでその直後攻撃されててこちらのキャラもやられるというなんか、なんのために2枚使ったのかわからなくなった瞬間でした。
そこで、このカードの使い方について少々考察。まず、このカード相手の攻撃・自分の攻撃どちらでも使えます。
まず筆者の使い方は非効率です。間違っています。こちらは、2回のアクションとカードを使用して相手に2ゴールドを与え、相手は2対キャラをコミットしただけ。絶対損してます。
もし、相手が攻撃してきた時に使用していた場合はどうでしょうか?
単純にお互い何もコンバットカードをプレイしていない場合、相手のアタックをキャンセル。そのまま自分のアクションに移るため、実質このカードの使用で相手の1アクションを飛ばして自分が、連続アクションを得たことになります。まさに、わずかだけど時間を飛び越えた感覚です。このゲームは基本交互にアクションを行うように設計されているため連続アクションの可能性とその価値はFlesh and BloodのGo Againより遥かに高いかもしれません。
コンバット: あなたのバナーをコミット; あなたのドワーフ参戦者は+2{a}/+2{r}をこの戦闘中得る。
その上で、本当に効率的な使い方としては、相手が「鉄は熱いうちに打て」などのコンバットトリックを使用した上で使うことで、相手に実質ゴールドは与えず、カードを消耗させ、さらに相手はバナーをコミットとなります。カウンタープレイは、やはりプレイヤーのスキルによってその価値が変わるのが理想的ですね。
名声勝敗
カードを学びながらプレイを続けていくと、気づいてみればなんとお互いの名声値が二桁に。これまで、名声条件で決着がついた試合は自分自身も、これまでの対戦相手の経験も合わせて一度もなかったので、ここまで名声値が上がっただけでも立派だと個人的には訳のわからない満足感。
ゲームは5ターンから、さらに6ターン目へ。この時点でなんと名声での勝敗決定が現実味を帯びてくる展開に。6ターン目の終盤での筆者はの名声はなんと勝利まで後1点の19点。相手も18点までに。勝利まであと1ポイント!
しかし、流石により高いレベルで戦ってきた相手。実際に相手は名声での敗北を何度も経験しているらしく、この時点で名声持ちキャラを一切場に出さなくなる戦略に変更。
ただこの時点では、相手の盤面残りキャラは低ライフ・低攻撃力の1体。こちらは、低ライフとはいえ3体キャラがいる状態。
トドメと攻撃したところ、(相手発動も含めて)コンバット中にキャラを出せる「予測不可能」キャラを2体一気に召喚。勝利を確信したところでの、意外なカウンター
しかし、ここは余裕がある筆者は、ダメージマニューバーは残っていないものの先に撤退命令発動で、先手権を獲得。この時点でほぼ、勝利を確信。最強スターターデッキ使用のトーナメント参加プレイヤーに初使用のデッキで勝利!
そして7ターン目へ
ところが…
予測不可能
配置: 手札からエルフカードを公開。デッキの一番下に戻す; カードを1枚引く。
なんと、ここでもいきなり2体予測不可能キャラを召喚。
名声値で負けることはすっかり頭から消えていた筆者は、バッチリ字名持ちのキャラを召喚。
潜入者
配置:あなたのデッキの上のカード3枚を見る。その中から1枚キャラクターを公開して、それをあなたの手札に加えてもよい。残りのカードはデッキの上に好きな順におく。
グレイディスを見事に始末され、こちらは盤面に2対のキャラ、向こうはライフ1点1体。ゴールドもこちらの方が持っているのに、名声値で敗北!
感想
二転三転とするゲーム感覚がこのゲームの真骨頂だと実感できた一戦でした。ギル・エステルデッキに関しては、個人的にはコントロールよりアグロやミッドレンジなどのデッキの方が好みなのですが、Drakerionはデザイン上、デッキのプレイテーマが明白で初プレイで間違いだらけでもこのデッキが何をしたいのかどうすればいいのかがすぐにわかりました。ぜひまた使ってみたいデッキです。